1901(明治34)年に清沢満之を学長として京都から移転・開校された「真宗大学」(現:大谷大学)や私塾であった「浩々洞」など、真宗大谷派では早くから東京を足場とする活動を展開してきました。
親鸞仏教センターは、そうした活動に見られた進取の精神や「実験」「自由討議」の気風を継承する宗派の東京における学事施設として、2001年に文京区に設置されました。
時代の苦悩と親鸞思想との接点を探り、現代人に真宗を語りかけるための新しい視点と言葉を見出すべく、最新の学術的視座を学び、異領域の有識者との対話を大切にし、常勤・非常勤あわせて11名の研究員が研究活動に励んでおります。
■研究領域・テーマ
近代教学論
■略歴
1938年、中国黒龍江省生まれ。東京大学農学部林産学科卒業。
大谷大学大学院修了後、同大学助手、助教授などを歴任。
2001年、親鸞仏教センター所長に就任し、現在に至る。真宗大谷派本龍寺住職、真宗大谷派講師。
■所属学会
真宗教学学会
■『現代と親鸞』掲載論文(最新)
当センターの主要事業として、研究員が主宰し、センターのメンバー全員が参加する研究会があります。
多様な分野の第一人者と討議を重ねる現代と親鸞の研究会では、将来の社会の在り方を見据え、「現代と親鸞」という課題について具体的に学ぶことを目指しています。
また、月例研究会として、2001年の当センター開所時より継続してまいりました清沢満之研究会・聖典の試訳研究会・英訳『教行信証』研究会に加え、現在は、親鸞と中世被差別民に関する研究会・「宗教と社会理論」研究会などを定期開催しております。
さらに、大谷大学や真宗大谷派教学研究所の協力のもと、「近現代『教行信証』研究検証プロジェクト」を行っています。
当センターでは、東京にあるという地の利を活かして、様々な研究交流を行っています。
具体的には、「清沢満之研究会」の成果も活用して宗派内外の研究者が討議する「清沢満之研究交流会」や、「『現代と親鸞』公開シンポジウム」など、最先端の問題について様々な方々と議論を交わし、相互に示唆を得るような交流研鑽の場を開いております。
また、所長の本多弘之による連続講座「親鸞思想の解明」や、研究員と学ぶ公開講座などを開催し、親鸞思想を基軸として広く一般の方々と対話する場を開き続けております。
そして、研究者が担うべき重要な業務の一つとして、諸学会での研究発表にも積極的に取り組んでおります。
当センターでは、各種刊行物を定期的に刊行し、研究活動の成果を公開しております。
研究誌として、研究員の論文や連続講座「親鸞思想の解明」の講義録、当センターが実施する研究・交流事業の内容を網羅した『現代と親鸞』(年2回)と、近現代『教行信証』研究検証プロジェクトの成果を公開する『研究紀要』(年1回)を刊行しております。なお、当センターの研究誌に掲載した論文は、すべてJ-STAGEで公開しております。
また、当センターの動きをお伝えする機関紙「親鸞仏教センター通信」(年4回)、現代の先端的な課題を様々な方々と共有していくことを目的とした雑誌『アンジャリ』(年1回)を刊行し、あわせてホームページやSNSでの情報発信にも努めております。
正面玄関前のラックでも『親鸞仏教センター通信第89号』をご紹介しております。
— 親鸞仏教センター(真宗大谷派) (@shinran_bc) October 16, 2024
❁センター向かいの霊雲寺様境内で、かわいい花を咲かせていました(金木犀、10/16撮影)。
秋を知らせる甘い香りが漂っています。 pic.twitter.com/Rtk2Wtv7Cq