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濁浪清風
親鸞教学の現代的課題――――生まれ直しの思想(19)

  親鸞は、「正信偈」で報土について、「報土因果顕誓願(報土の因果、誓願に顕〈あらわ〉す。)」と言っている。報土の因果を説くのは、『無量寿経』の法蔵菩薩が、無上涅槃の功徳を一切の群生海に施与したいと願い、その願心を誓願自身の因果として具体化するためだと見られるのである。その「正信偈」で「如来所以興出世 唯説弥陀本願海(如来、世に興出したまうゆえは、ただ弥陀本願海を説かんとなり。)」と述べる。さらに、この本願海の因果を「本願名号正定業 至心信楽願為因 成等覚証大涅槃 必至滅度願成就(本願の名号は正定〈しょうじょう〉の業なり。至心信楽〈しんぎょう〉の願を因とす。等覚を成り、大涅槃〈ねはん〉を証することは、必至滅度の願成就なり。)」と表している。このことを『教行信証』「教巻」では「如来の本願を説きて、経の宗致(しゅうち)とす。すなわち、仏の名号をもって、経の体とするなり。」と押さえている。この本願の果報として、浄土を表すのである。
  浄土とは、その文字通り「因浄なるがゆえに果浄なり」であって、因果が如来清浄願心の因果であり、清浄報土の救済は、完全に如来願心の因果であることを、繰り返して押さえ直し、それを求めるわれら凡愚(ぼんぐ)は「極悪深重の衆生」であるのだから、我等は一筋に大悲の本願海に帰すべきことを示されるのである。報土は第十二・十三願の光明・寿命の誓願に酬報(しゅうほう)した場所であり、これは本願の荘厳(しょうごん)する世界であるから、天親は「願心荘厳」であると示される。
  この願心荘厳の報土に至るには、真実信心一つを因とすることを徹底的に教えてくださるのである。この信心の獲得(ぎゃくとく)について、親鸞はわれら凡愚の無力なることをいやと言うほど押さえる。そして、それを深く悲しんで立ち上がったのが、『無量寿経』の語る法蔵の願心であり、その悲願が「回向を首として大悲心を成就」するべく二種回向を表して、われらに行信を恵むのだ、と言われるのである。「弥陀の回向成就して 往相還相(げんそう)ふたつなり これらの回向によりてこそ 心行(しんぎょう)ともにえしむなれ」とはこれを示している和讃である。
  往還の二回向は、往相の回向について「真実の教行信証あり」とされ、その行信を因とし、その果としての真実証は「還相回向」の用を具すとされる。往相の回向は、如来の願心の内に「必至滅度」の因を蓄えて、「往相の回向ととくことは 弥陀の方便ときいたり 悲願の信行えしむれば 生死すなわち涅槃なり」という意味を表す。大悲回向の信(名号を具している)を得るなら、大乗仏教の究極的課題としての「生死即涅槃」に直結すると言うのである。信心は「証大涅槃の真因」であるとも言われている。大涅槃を本願力の教えを通して、願心の報土として示すのであるから、「信心は清浄報土の真因」であるとも示されるのである。ここに来たって、われらの課題は、難信たる真実の信心を獲得できるか否かに帰着するのである。 (2016年4月)

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