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keyword:孤独
Vol.04  現代社会を生きる私たちは、常に孤独を感じている。しかも、それを逃れるために、あらゆる手段を使って誰かとつながっていないと安心できない、と思われるほどである。
 だからといって、孤独がそんなにいけないことなのであろうか。むしろ、孤独を特別視する現代の風潮や、孤独に対する私たちの強迫観念の方に問題があるのではないか。
 「不登校」や「引きこもり」、さらには「いじめ」や「少年犯罪」等の問題は、孤独ということにその原因があるかのように言われ、自分を周囲の人間や環境に合わせるのがいいことで、それができない者を、協調性がないとして排除するような雰囲気が、今の社会を覆(おお)っているように感じる。その結果、いつも他人の視線を意識して、自分がどう思われているのかに神経をすり減らし、自分をぎりぎりにまで追い詰めることが、実は問題を引き起こす原因になっているのではないか。
 釈尊は、「人、世間の愛欲の中にありて、独(ひと)り生じ独り死し、独り去り独り来る……」(『仏説無量寿経(ぶっせつむりょうじゅきょう)』)と、人間の姿を凝視された。この時代空間を生きる私たちの苦しみは、愛と欲という深い罪によって引き起こされるものであるという釈尊の言葉に、親鸞は、強く胸を打たれた。どれほどたくさんの友達をつくって楽しそうにはしゃいでみても、この愛欲や名利にとらわれる限り、さみしさやむなしさを振り払うことはできない。「独り生じ独り死」んでいく事実と向き合うところに、生きていく意味を語りかける大切なメッセージがあるのだ、と親鸞は受けとめているのだ。
 つまり、人間はどんなに愛欲や孤独の、悩み深い情況にあろうとも、「独り独り」がはかり知れないいのちに生かされている、何物にも替えがたい尊厳な存在なのである。人のいのちには、それぞれ長短はあるけれど、誰も自分の人生に代わってくれるわけではない。このいのちをどのように受け止め、生きていくかという責任は、一人ひとりが背負っていくしかないのである。むりやり協調性を押しつける流れは、かえって一人の目覚(めざ)めを疎外する。むしろ、孤独な人生と向き合う勇気を持つことのほうが大切なのではないか。
 私たちが本当に生き生きとした人生を発見し、孤独感から解放される道は、独りになることを恐れず、自らの孤独と向き合うことから始まるのではないだろうか。

藤原正寿(親鸞仏教センター研究員)

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