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健康、新年度
Vol.143 神経の筋トレ 親鸞仏教センター嘱託研究員 ステファン・グレイス
 最近、おもしろいことを知った。それは、だれでも、筋肉トレーニングをしていなくても、体のなかにはものすごい強い力が潜んでいる、ということだ。たまに耳に入る話だが、例えば、車の下に子どもが挟まれていて、彼を救うためにお母さんに不思議な力が入って車を引き上げられるようになる。ただし、「不思議」といっても、物理的な理由がある。

 われわれの体には、筋肉の動きをコントロールする中枢神経系というものがあるそうだ。そして、力を一発で全部使ってしまい、筋や骨などに怪我をしないように、その中枢神経系は筋肉が使用できる力を限定する。

 以上の理由によって、筋トレを始める人は、その第一年目は、筋肉がほとんど大きくならない。なぜかというと、最初は中枢神経系の制限を超えるために、神経を鍛えなければならないからだそうだ。つまり、「強く」なっているように感じるが、実際のところ、潜んでいた力を少しずつ展開しているだけだ。そして、二年目以降、中枢神経系が強くなり刺激に慣れたことで、初めて筋肉そのものが強くなっていく。

 要するに、ほとんどだれでも100キロ以上の重さのあるものを引き上げることができるが、日常的な条件の下で、そうしようとしても、決して筋肉のトレーニングにはならない――正しくは、逆に怪我をして筋肉の発展を遅くさせるのだ。

 しかし、筋肉関係の神経以外にも、このような効果があるのではないかと考えて、精神的な神経との類似性に気づいた。例えば、運動に慣れていない人が怪我をしやすいのと同じように、人間は慣れていない環境に置かれてストレスを与えられたら、精神的にダメージを受けやすくなる。つまり、普段は「精神的な中枢神経系」が心の安定を確保するために感情を制限しているが、制限できなくなると怪我をしてしまう。

 4月の進学、人事異動や転職などによるストレスに対しては、ゆっくりと新しい環境について知れば、精神的な中枢神経系がだんだんとその環境に慣れていくが、無理をして多くを背負おうとすれば、逆に感情的な神経にダメージが与えられ、あったはずの進行が遅くなると言えるだろう。

 または、筋肉を鍛える場合、実際のトレーニングよりも栄養と睡眠が大事だと言われている。それらが不十分であれば、トレーニングの効果は求められない。つまり、筋肉は物理的なストレスにより強くなるのではなくて、筋肉をストレスから復活させることにより強くなる。確かに、私の経験からすれば精神的な面においても同じような現象がある。例えば、日本語を勉強し始めたころ、一番「何も知らない」と感じたときは、必死に勉強したテストの直前だったが、その勉強がやっと腑(ふ)に落ちたのは、ゆっくりできるようになったクリスマス休みのあとだった。

 私は、去年、食事に気をつけて体をもっと動かすように頑張ったが、今年度は、精神的にもその栄養や休息をきちんと取り入れるように頑張りたいと思っている。

ステファン・グレイス(親鸞仏教センター嘱託研究員)

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