親鸞仏教センター
お問い合わせ
 
「現代を生きる人々」と対話するために
HOME親鸞仏教センター概要アクセスサイトマップ
濁浪清風今との出会い研究活動報告出版物紹介講座案内ブックレビュー
 HOME > イマジネーション・パワー
keyword:永遠
Vol.21  『大無量寿経』には、浄土の光景がこんなふうに説かれている。「もし宝池に入って、足まで水が欲しいと思えば、水が足を浸す。膝まで欲しいと思えば、膝までくる。腰まで欲しいと思えば、腰までくる。首までほしいと思えば、首までくる。シャワーになってほしいと思えば、シャワーとなる。温度調節も意のままに自由自在である」と。
 古代インドの人びとは、日常にはありえない理想の生活を浄土に夢見たのであろう。しかし、現代資本主義社会は、人間の欲望を完璧に叶(かな)え、古代には理想であった生活を、この世に実現してしまったのである。ほとんどの家庭のバスルームに行けば、古代人が描いた理想の浄土を味わうことができる。
 その結果、現代人は「理想の浄土」への願望を減少しつつあるように思う。もはや、この世を超えた世界を希求するという欲求は、逓減(ていげん)の一途をたどっている。そこで、ひとつの提案をしてみたい。
 いのちの根っこへのイマジネーション・パワーを高めることによって、いままでとは違った形の「理想形」をつくってみよう。まず最初に、自分が、自分になるまでの先祖の数を計算してみる。両親2→祖父母4→曾祖父母8→と掛けてゆく。電卓で2×2×2×2×と計算すればよい。すると十代前の先祖の数が1,024人と出てくる。更に30回ほど続けると三十代前の先祖の数が1,073,741,824人と出てくる。これは架空の数字ではない。自分が自分になるまでのいのちの根っこの数である。この数字は、自己が自己になるまでに、無量無数の出会いがあったことを示している。もし、この中のひとりでも出会うことがなければ、「自己」は存在していない。そうすると、「自己」の存在そのものが、約十億人の出会いの結晶であるというイメージができあがってくる。それも三十代前と限定しての数である。それを更に遡(さかのぼ)れば、どれほどのイメージが膨(ふく)らんでくるだろうか。
 それはいのちの根っこを人から人へのつながりとして横に広げたイメージである。それを時間の縦軸にイメージしたらどうなるだろうか。いのちが前の世代から伝承されてくるものであれば、「自己」の存在として結晶してくるまでの、いのちの根っこは、どれほどの長さをもっているのだろうか。それこそ、地球にいのちが誕生したとき、さらに地球が誕生したとき、さらに太陽系、銀河系、さらに宇宙が誕生したところまで遡ることができ、縦軸のいのちのイメージは、<永遠>というものにまで広がっていく。<永遠>が、自己を生み出し、この世のいのちが終ったときには、再び<永遠>へ帰る。こんないのちへのイマジネーションが、新たな「浄土イメージ」として、あってもいいのではないだろうか。

武田定光(親鸞仏教センター嘱託研究員)

最近の『今との出会い』一覧
Backnember ページトップへ
濁浪清風今との出会い研究活動報告出版物紹介講座案内バックナンバー一覧
親鸞仏教センター
MAP
親鸞仏教センターfacebook

親鸞仏教センター [真宗大谷派]<br>〒113-0034 東京都文京区湯島2-19-11
TEL 03-3814-4900 
FAX 03-3814-4901 
mail:shinran@higashihonganji.or.jp
 
掲載の記事・写真の無断転載を禁じます
Copyright©The Center for Shin Buddhist Studies. All rights reserved.
ホーム 親鸞仏教センター概要 講座のご案内 スタッフ紹介 バックナンバー一覧 リンク サイトマップ アクセス