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Vol.28:この地球は誰のものか 羽塚高照  流行語大賞――になるかどうかはわかりませんが、大臣がノーネクタイで省エネに協力をと言われるような、「クールビズ」という言葉をこの夏はよく耳にしました。自然は大切なものであり、地球環境問題が、現代のわれわれが直面している大きな課題であることに反対する人はいないでしょう。
 私は学生時代、ヘンプ(麻)という環境へのダメージが少ない繊維を利用して服や鞄などをつくり、環境問題にも積極的に取り組んでいるメーカーの製品を愛用していました。その製品を愛用するようになったきっかけは、製品についている値段などが載っているタグにあった英語のメッセージに強い感銘を受けたことでした。そのメッセージは、後で調べてわかったのですが、ネイティブアメリカンのものと言われている格言に由来するものでした。ここに、拙訳ですが紹介したいと思います。

大地を正しく扱いなさい。それは両親からあなたに与えられたものなどではなく、子どもたちからあなたに貸し与えられているものなのですから。わたしたちは祖先から大地を継承するのではなく、わたしたちの子どもたちからそれを借りているのです。


「大地」と訳した原語は “the earth” ですが、環境問題を考える上では、「地球」としたほうがいいかもしれません。この言葉を最初に読んだとき、それまで「自然を大切に」とか、よく使われる「美しい自然を次の世代へ」というようなフレーズを、「確かにそうだよね」と、ごく普通に受け入れていた自分に対して、何だか叱(しか)られているような感覚にとらわれたことを覚えています。この格言は、「地球は誰のものか」という問題に敷衍(ふえん)できると思います。「地球はわれわれみんなのもの」と言うとき、そこには仏教で言う「我所見(がしょけん)」、つまり自然環境を自分(たち)の所有物と考え、「わがもの」とする思い(これは仏教では当然、煩悩として否定されるのです)が、潜在的にひそんでいると思います。
 このように偉そうに言いつつも、私がこのメッセージに出遭(であ)って以来、環境問題に真剣に取り組んだとか、省エネライフを積極的に実践できているわけではありません。「人間ひとりが移動するのに、太古からの時間をかけてできた化石燃料を燃やしてもいいのか」と思いつつ、必要なときには車を運転し、「ヒートアイランド現象」を気にしつつ、エアコンのスイッチを入れてしまいます。エネルギー消費による恩恵から脱することは、ほとんど不可能のようにも思われます。「自分ひとりが我慢していても仕方がない」とつい思ってしまいます。それでも、「地球はわれわれのものではなく、未来の子どもたちのもの。それをわれわれは貸してもらっている」と思うことができるならば、急速に進行する環境の悪化に対するブレーキを、もう少しだけ強く踏むことができる、そんな気がします。
 そうそう、申し遅れましたが、トップダウン方式という批判はあるようですが、「クールビズ」には賛同したいと思います。

羽塚高照(親鸞仏教センター研究員)

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