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Vol.44:新年に想う 伊東恵深  年が明け、2007年を迎えました。
 新しい年を迎えることは、広く一般的に「おめでたいこと」とされています。そこには、「数(かぞ)え年」(生まれた年を一歳とし、以後、元日を迎えると一歳を加えて数える年齢のこと)の習慣から、無事に年を越すことができたことに対する感謝とお祝いの気持ちが込められてきたのでしょう。
 私もまた、歳を重ねるにつれて、新年を迎えることをありがたいと思うようになってきました。それは、先に述べたような理由からではなく、新しい年を迎えるということは、いままでの自分の生活やあり方を深く反省し、過去の古い自分と決別して、心機一転、新鮮な気持ちでこれからの人生を歩んでいくための良い節目だと感じているからです。人生は本来、日々新たであり、念々に新しい自分を生きているわけですが、しかし現実には、日常の雑多な事柄や出来事に振り回され、日々の生活に追われながら垢(あか)にまみれて過ごしている自分がいます。
 近頃、「リセット症候群」という言葉をしばしば耳にします。リセット症候群とは、テレビゲームなどでゲームオーバーになっても、リセットボタンさえ押せば元の状態に戻すことができるように、現実の世界もまた、一からやり直すことができると錯覚する状態のことを言います。昨年末にも、ある男子中学生が、「もっとできる人間になって、絶対に生まれ変わってくる」というメモを残して自殺した、と報道されていました。
 「もう一度最初から人生をやり直したい」「すべてを消し去って、真っさらな自分に戻りたい」という欲求は、誰しも一度はいだいたことのある感情だと思います。しかしながら人は、誰も代わることのできない、リセットすることのできない、ただ一度限りの命を生きています。私たちは、どうにも変えることのできない過去の延長線上に、いまを生きているのです。だからといって、悲観する必要はありません。なぜなら、人生をやり直すことはできませんが、見つめ直すことはできます。過去の失敗や出来事を消し去ることはできませんが、その事実からより深く人生を学ぶことができるなら、それに執着する心を断ち切ることはできるはずです。新しい年を迎えるということには、実はそのような大切な意味があるのではないでしょうか。
 新年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

伊東恵深(親鸞仏教センター研究員)

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