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Vol.46:カタカタカタとキーボードをたたく 羽塚高照  いまさらながらですが、文章を作るのにパソコンはとても便利です。間違えてもすぐ修正できますし、とりあえず作っておいた文章をコピーして、別の場所にまとめて貼り付けることもあっという間です。特に便利だなと思うのは、漢字の変換です。ひらながで入力して変換キーを押せば、自動的に漢字に置き換えてくれて、同音異字がある場合は、その候補をすべて挙げてくれます。「跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)」「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」「薔薇(ばら)」など、書けと言われてもなかなか書けないような文字が、一発で変換されると感動すら覚えてしまいます。うろ覚えの字や、ど忘れしてしまった字も心配いりません。
 パソコンの文字変換機能は大変便利ですが、もちろん「完全」ではありません。いま、このホームページをご覧になっている方々は、経験があると思いますが、少し長い語句や文章を入力すると、その切れ目をこちらの意図とは別のところで認識し、まったくデタラメに変換されてしまうことや、思ってもいない文字に変換されてしまうことがよくあります。以前、「サトウトシオ」という人名を打とうとしたら、「砂糖と塩」と変換され、パソコンの前で思わず吹き出してしまったことがあります。
 しかし先日、ちょっと笑えない変換ミスがありました。英語で「人間」という意味のhumanという単語を打とうとしたときのことです。キーボードが直接入力ではなく、ローマ字での日本語入力になっていることに気づかず、h, u, m, a, nと入力して変換キーを押すと、変換された文字は「不満」でした。
人間(ヒューマン) → 不満
 

そのときも思わず笑いかけたのですが、そのまましばらく手をとめて考え込んでしまいました。何だか仏教の教えのような変換ミスが、無機質なパソコンから飛び出してきたのです。
 ……確かに「人間」は「不満」のかたまりだ。パソコンを使っていても、ちょっと変換ミスがあっただけでイライラしてしまう……道具がどんどん便利になると、人間はどんどん怠け者になって、だめになっていくような気がする……でも、いまさらパソコンを使わずに仕事をするということは考えらない。利用していたはずの道具に、自分が振り回されている……そしてその道具は、人間の不満に応えようとしているのか、次々に新しい商品が発売されていく……しかし、人間の欲求が無限にあるかぎり、これは無限に繰り返されるのか?……モノにあふれる社会、そこに溺れる人間……。
 などと、つらつらと考えているうちに、仕事中であることにハッと気づき、またカタカタカタとキーボードをたたくのでした。

羽塚高照(親鸞仏教センター研究員)

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