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Vol.56:新年〜束(つか)の間の休息から〜 法隆 誠幸  新年を迎える。その目覚めの朝は、何だか背筋がすっと伸びるようで、どこか清々(すがすが)しい空気に包まれている。平生味わうことのない、“格別な朝”。そこには、悠々(ゆうゆう)たる時が流れている。新年を迎えるということの一面は、この「朝」を迎えるということなのかもしれない。
 ほんの少しだけ、年末へと時間を戻してみよう。街には、カレンダーや手帳などを携え、お得意先への挨拶回りに追われる姿がある。また、普段、なかなか連絡を取ることのできない、旧知の友人への年賀状も忘れずに書く。その一方で、年内に終えておきたい仕事に目処(めど)をつけ、一年分の埃(ほこり)を払うように大掃除に精を出す。毎年繰り返される、“師走の営み”である。
 たとえ、それが形式的なことであるとしても、私にはその一つひとつが大切な営みであるように思える。誰もが〈年の終わり〉を意識しながら奔走する。その中心に「挨拶」や「掃除」があるということは、考えてみれば実に興味深いことではないか。
 おおよそ、新年を迎えようとするこの感覚は独特のものである。新年を迎えることは、ひょっとしたら「人生のレッスン」と言えるかもしれない。例えば、挨拶回りや年賀状のやり取りをとおして、私たちはお互いの関係性を感じようとする。それは、〈つながり〉の中に生きているということ、そしてこれまで生きてきた、あるいはこれから生きていこうとする、自(みずか)らの「場所」を確認する作業でもある。もう一つは、年内の仕事に目処をつけ、掃除するという行為である。それは、日々生活する中で抱え込み、積もってしまった心の塵を少しでも軽くしたいという心理の表われである、と言えば私の思い過ごしということになるだろうか。
 新年、街往く人びとの顔は、心なしか穏やかに見える。それは、目先の出来事に振り回され続ける、そんな日常から公然と解放された、数少ないまとまった時間を持つことができた喜びからくるものだろうか。しかし、それは“束の間の休息”である。やがて、街も人も平生を取り戻す。そして、再び目まぐるしく動き始めるだろう。
 己(おのれ)と向き合い、今を知る。行く末を見つめ、目指すところを確かめる。「今」がそんな時間でありたいと私は思う。

法隆誠幸(親鸞仏教センター嘱託研究員)

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