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親鸞仏教センター通信
第10号 June 2004
[巻頭言] インターネツト社会のもたらすもの
親鷲仏教センター研究員 藤原 正寿
 数年前に・自分の部屋から一歩も出ず、インターネットだけで果たして生活できるか、というある男性の実験が話題になったことがあった。しかし今では誰も、そんな実験に興味を示すものはいない。インターネットさえあれば日常生活で必要なあらゆるものが手にはいることは、もはや当たり前のことだからである。衣食はもちろんのこと、本の注文、家賃、ガス、電気等の代金の振り込み、株の売買、電車や飛行機のキップ、宿の手配までおよそ手に入らないものはない。実際、この便利さは手に入れたら止められないほど快適なものでもある。インターネット(携帯電話、メールも含む)等の情報通信手段の急速な発展は、日常生活の様相を一変させたといっても過言ではない。
 例えば、学校においても、学生は課題のレポートをメールで送るのであって、指導教授に直接手渡すことはない。先生も学生にメールで応答し、学生の成績評価を学校にメールで通知する。授業すらも、教室がなくとも自分の部屋でパソコンの画面を通して受講可能になりつつある。校舎がなくても学校は成り立つのである。ある友人の教員から聞いた話では、学生のレポートの多くが、インターネットから得た情報によって書かれていて、しかも、インターネットで検索したとき、はじめに表示された情報をそのまま、コピー&ぺ一ストで、瞬時に写し取ったものがそのままメールで送られてくるそうである。効率的な学習のためのシステムが、皮肉にも「自分で考える」という学問の根本をも揺るがせてしまっているのであろうか。
 だからといって、一概にインターネットを拒否しようということを言っているのではないし、言うつもりもない。それにしても、日常生活のあらゆる場面が、誰とも接することなく成り立つということには、功罪があることを知っておかなければならないと思う。かつて、個人を縛りつけていた関係社会や制度から離れても生活が成り立つという意味では、仕事や勉学に地域や時間の格差がつかないということにおいては、インターネットに代表される情報手段の発達はとても有効である。一方で、あらゆる場面で誰とも接しないことは、煩わしさがない反面、人の気持ちを感じとり、自分の気持ちを表現するという機会や能力をわれわれから奪っていく。良くも悪くも培ってきた文化・習俗、つまり地域共同体や親戚、家族という人間関係を切り裂くことによって、自分自身の存在を確かめるための大切な「場」を喪失させるのが、インターネット社会のもたらす罪であろう。そのことが、現代に得体の知れない恐怖と孤独をもたらしているのも事実である。
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