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親鸞仏教センター通信
第14号 March 2005
[巻頭言] 連帯するいのち
親鸞仏教センター研究員 伊東 恵深
 もう1年近く前のことであるが、16年余り共に暮らした猫が死んだ。私が小学生のときに近くの公民館で拾ってきて以来、家族の一員として、まるで兄妹のように生活を共にしてきた。その死に際して、私たちは、勤行(ごんぎよう)を行い、手製の小さな棺に納め、埋葬することによって、その生涯に別れを告げた。
 この経験を通して、ひとつ気づかされたことがある。それは、たとえ「死」によって大切な存在を失ったとしても、いのちの根源において互いにつながっているという感覚によって、本来のつながりは失われてはいない、ということであった。長年、可愛がってきた猫との死別という深い悲しみのなかにありながらも、不思議と平静な私がいたのは、その猫の存在は、私のなかに確かに生きているという実感を通して、いまもなお生き続けているからである。
 昨年末、アメリカのベンチャー企業が、死んだ猫のクローンを誕生させたというニュースが話題となった(2004年12月23日、共同通信)。私たちにとって、愛するものと別れなければならない悲しみはまことに深く、かけがえのない存在をどうにかして取り戻したいという欲求はきわめて強い。しかし、このような生命操作によって作り出されたいのちは、私たち人間の欲望の産物であって、人間の執着(しゅうじゃく)・愛着(あいじゃく)によって私有化されたいのちに他ならない。はたしてそこに、いのち本来のあたたかいつながりを感受することができるであろうか。
 また、例えば昨今の、青少年による殺傷事件やリストカットなどの自傷行為が多発する背景には、躍動するいのちの実感を求めつつも、閉塞した孤独の闇を生きざるを得ないという痛ましい現実があるのだろう。それは単に、学校教育の見直しや家庭環境の改善だけでは解決されない深刻な問題である。
 このような現代にあって、いま私はあらためて、清沢満之が「万物一体(ばんぶついったい)の真理は、吾人(ごじん)がこれを覚知せざる間も、常に吾人の上に活動しつつあるなり」(「万物一体」)と明記されたことの意義を憶(おも)うのである。清沢は、あらゆる存在は相互に関係しながら成り立っており、関係を離れて個別に独立するものではない、と言う。そしてこの真理は、私たちが気づかない間も、私たち自身の上に常にはたらきかけていると述べている。この清沢の言葉は、私たちの思いに先立って、すでに連帯するいのちがあることを教えるものであり、この事実に目覚めることこそが切望されているのである。
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