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親鸞仏教センター通信
第15号 September 2005
[巻頭言] 場の力
親鸞仏教センター研究員 嵩 海史
 言えそうで、うまくその意味を言語化できない言葉がある。それが私たちにとって大切なことを言い表そうとする言葉であればあるほど、相手に説明するのに窮(きゅう)してしまい、途方にくれてしまう。例えば、「いのち」の実感。科学が説得力をもつ現代にあって、人間の「いのち」を科学的に細胞や分子の微細なところまで説明できても、いのちの実感を伝えることは大変困難なことであろう。だからといって、「いのち」が無いのではない。では、相手にどう伝えたらいいのだろうか……。
 これと同様、言葉にのせることは難しいけれど、大切な意味をもつ言葉がある。そのひとつに「場の力」がある。
 帯津良一先生(帯津三敬病院名誉院長)は、親鸞仏教センターの活動に関心をもたれている方であるが、医療の現場から「場には力があり、それが弱まっているときには、患者さんたちの身体の状態がすぐれない」とおっしゃっている。この言葉は、長年ガンの研究、治療に携わり、たくさんの事例を目の当たりにされた経験に裏打ちされたものである。だから説得力がある。
 また、作家の田口ランディ氏は、本年4月の東本願寺真宗会館(練馬区)での講演の折、北海道浦河(うらかわ)の「べてるの家」について言及された。ほかの病院では手に負えないような、日常生活に支障をきたしかねない方々が、「べてるの家」に暮らすようになると精神的に落ち着いてくる。特殊な治療法があるわけでもない。けれども、そこに「場の力」がはたらいていて、それが治療の代替作用になっているのではないかと話された。さらには、「場の力」は作り出そうとしても作ることはできず、「他力」に通じるものがあることを指摘された。
 あらためて「場の力」、それを成り立たせる「場」ということに関心をもって言論界を眺めてみれば、そうしたことに注目したり、研究している方が存外多くいることに気づかされる。それだけ大切な概念であり、いま、一人ひとりが本当に見直すべきことなのではないだろうか。「場の力」は、私たちの生活に潤(うるお)いをもたらし、それをいただかなければ、人の生は枯れてしまう。極めて日常生活に即していて、それでいて人間のはからいを超えたはたらきを言わんとしている。「真宗、仏教の言葉が生活から遊離しがちである」としばしば指摘されるが、どうすれば、それらが私たちの生活感覚に響いてくるようになるのか。その手がかりとして、「場の力」はどうだろう。学ぶ点の多い、極めて有益な概念なのではないか、と最近感じている。
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