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親鸞仏教センター通信
第24号 December 2007
[巻頭言]願われる存在
親鸞仏教センター研究員  羽塚 高照
 二酸化炭素の排出による地球温暖化や化石燃料の枯渇という危機感から、トウモロコシやサトウキビなどの有機物を原料にしてつくられる「バイオ燃料」が注目されるようになって、はや久しい。確かに、バイオ燃料それ自体は大きな希望を抱かせてくれるものであるが、事態はそう単純には進んでくれないようである。
 原料となる農作物は、需要が高まることにより、その価格が高騰し、より儲かるバイオ燃料に関する産業に流れるので、この状況が続けば、将来的には食料不足という事態も懸念されている。また、バイオ燃料の原料を生産するための焼畑により、アマゾンの森林が消失するスピードが近年アップしているという。背景には、それを高く買う先進国の存在がある。環境によいとされてきたバイオ燃料が、こともあろうに、さらなる環境破壊の一翼を担い、人間の存在を脅かしてしまっているのである。
 私はここで、ひとりそしらぬ顔で、「人類は愚かだ」と断じようというのではない。目の前のほんのささいな事柄に過剰に反応し、心を奪われるにも関わらず、例えば地球環境など、大きな問題には無関心でいられる自分を否めない。そのような、「小我を捨てて大我に生きる」という仏教の教えに背くような生き方しかできないこの自分こそが、森に火を付ける張本人ではないのか。あるいは、たとえ一瞬でも立ち止まり、自分と自分を取り巻く状況に大きな矛盾を感じ得たとしても、しかしそれは、自分を突き動かしている大きな力の前で、まったく無力のまま立ち尽くすことでしかない。そのような自己嫌悪を、私はなんとかやり過ごす。幸い、気を紛らわしてくれるものは、私の周りに事欠かない。
 だがしかし、「あなたは、それまでのあり方とはまったく違った新しい生き方ができる存在なのだ」と、仏によって願われているのも、他ならぬこの私ではないのか。もしそうならば、私は何をどう考えればいいのだろう。仏教の伝統は一貫して語りかけている。「あなたは欲望に突き動かされ、自我意識や所有欲に縛り付けられている。それが苦悩の根本原因なのだ」と。煩悩を完全になくすことは不可能だとしても、少なくとも、いま私たちは、自然環境の破壊などの「悪業」を犯しているということを自覚しなければならないのではないか。たとえまたすぐに、自己嫌悪の底に沈んでしまうとしても。
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