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親鸞仏教センター通信
第25号 March 2008
[巻頭言]癒しから救いへ
親鸞仏教センター所長 本多 弘之
 近代生活がそろそろ方向転換の時を迎えているといわれている。豊かさや便利さを追いかけて、ただ進歩発展するのが人間の歴史だという思想が、近代を引っ張ってきたのだが、ここに来てさまざまな行き詰まりの現象が出始めて、これが単なる一時的な事態ではなく、時代の転機だといわれるのである。
 苦悩の状況からのあえぎのように、「癒し」を求める現象が、スピリチュアル・ブームとして騒がれている。新自由主義の指標とされる「自己責任」論理の横暴さが、実は自己より大きな社会的な責任による困難な事情を押し隠し、大事な情報を知らせずに、結果の責任のみを個人に押しつけている。その苦境の事実にあえぐわれら一般市民は、努力しながらも苦悩の事態を処理することができずに、せめてもの精神的な解放感を求めて「癒し」に走るほかないのではなかろうか。その癒しを「スピリチュアル」というカタカナで表示するから、精神の深みの問いが、軽薄な商業主義のまやかしに巻き込まれてしまっているように思われる。
 実は「スピリチュアリティ」は、人間が自己自身の存在の根拠を求める大事な言葉だったのではないか。たしかにカタカナで表示すると、なにか神秘的なあちら側からの作用に関係する雰囲気になっているかもしれないが、それはこの言葉が西欧の精神に起源をもっていて、絶対者からの関わりのなかにあるからである。
 この地球上にたまたま生命が存在し、そのなかに人間も生存を与えられる。それは無限なる条件のなかに、不思議な因縁の恵みによって、たった一度の生命存在として、ここにわれらが生きているということなのである。それは、いつでも消えゆく不安感や他との関わりの不安定さに、自己の存在の弱さを感知せざるをえないということであろう。この弱さと不安とに催(もよお)されて、存在の大地といわれるような生存の岩盤を求めるこころが、宗教的な救いを求める要求なのではなかろうか。その要求によって出遇(であ)う精神を、「救いとしてのスピリチュアリティ(霊性的自覚)」と表現してみたいと思う。
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