親鸞仏教センター
お問い合わせ
 
「現代を生きる人々」と対話するために
HOME親鸞仏教センター概要アクセスサイトマップ
濁浪清風今との出会い研究活動報告出版物紹介講座案内研究員一覧
 HOME > 出版物紹介 > 親鸞仏教センター通信
出版物紹介
機関紙 親鸞仏教センター通信
親鸞仏教センター通信
第29号 March 2009
[巻頭言]光明の広海に浮かぶとは?
親鸞仏教センター所長 本多 弘之
 親鸞は、『教行信証』「行巻」で、行について論じ、大行の内実を総括するに当たって、
大悲の願船に乗じて光明(こうみょう)の広海に浮(う)かびぬれば、至徳の風静かに衆禍(しゅか)の波転ず。すなわち無明(むみょう)の闇(あん)を破し、速やかに無量光明土に到りて大般涅槃(だいはつねはん)を証す、普賢(ふげん)の徳に遵(したが)うなり。知るべし、と。(『真宗聖典』東本願寺出版部、192頁)
と記している。この「光明の広海に浮かびぬれば」という言葉について、ふとこれが「現生正定聚(げんしょうしょうじょうじゅ)」の精神界の風光なのではないか、と気づかされた。光明の広海とは、無明の黒闇が晴れて、大悲の智慧による明るみを感受し、生死海・煩悩海ともいわれる我らの苦悩の人生が、「衆禍の波転ず」という事実に出会って、明るい海の上に「浮かぶ」がごとくに生きていけるということであろう。
 煩悩具足の凡夫の生活実感は、「臨終の一念にいたるまでとどまらず、きえず、たえず」と語られるように、煩悩の紛起に悩まされ、尽きることのない罪悪の因縁を背負い続けなければならない。その凡夫の事実を、我ら衆生は離れることがない。これを克服すべく、もがいて努力して生きているのが我ら凡夫である。
 しかし、親鸞はその人生に、まったく新たなる明るみの空間が開けるのだ、と宣言しているのである。自業自得の道理ががっちりと罪悪深重の我らを縛っているにもかかわらず、他力摂取の信心には、「光明海」に浮かぶような生活があるのだ、というのである。これは日常的な人生観にとっては、まったく矛盾して無意味な言説にしか思えないであろう。
 その論理を親鸞は、「よこざま」という言葉で、表現しようとしている。「横截五悪趣(おうぜつごあくしゅ)」という言葉が『大無量寿経』にあり、善導が「横超断四流(おうちょうだんしる)」と言っていることを手がかりにして、人間の自力をたのみとする「たて型」の発想を截断(せつだん)するように、「よこざま」に凡夫が、現生に正定聚を得るのだ、というのである。いかなる罪障も隔てることのない「光明」の境界を、現実の暗黒のような人生を突破して、獲得(ぎゃくとく)できるのだという。「たて型」の発想からは、臨終をくぐってしか体験できないと考えるような功徳を、「よこざま」に矛盾を超越して、現生に獲得できるのだというのである。
ご購入・購読のご案内
Backnember ページトップへ
アンジャリ親鸞仏教センター通信現代と親鸞『教行信証』研究検証プロジェクト真宗聖典
濁浪清風今との出会い研究活動報告出版物紹介講座案内バックナンバー一覧
親鸞仏教センター
MAP
親鸞仏教センターTwitter親鸞仏教センターfacebook

親鸞仏教センター [真宗大谷派]<br>〒113-0034 東京都文京区湯島2-19-11
TEL 03-3814-4900 
FAX 03-3814-4901 
mail:shinran@higashihonganji.or.jp
 
掲載の記事・写真の無断転載を禁じます
Copyright©The Center for Shin Buddhist Studies. All rights reserved.
ホーム 親鸞仏教センター概要 講座のご案内 スタッフ紹介 バックナンバー一覧 リンク サイトマップ アクセス