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親鸞仏教センター通信
第32号 December 2009
[巻頭言]法名としての「釈親鸞」
親鸞仏教センター所長 本多 弘之
 「愚禿釈親鸞」の名について、『歎異抄』の法難記録にある「流罪以後愚禿親鸞と書かしめたまうなり」(『真宗聖典』642頁、東本願寺出版部<以下、『聖典』と略記>)の文を根拠として、「釈親鸞」は流罪赦免以後に自分で名告(の)ったのだ、という説が流布している。これに対して、「親鸞」の名は師源空からいただいたものだ、という主張が提起されている。筆者も、この源空上人命名説を全面的に支持したい。その根拠を少し述べてみたい。
 この議論はすでに古い伝承もあるらしいし、最近もこれを支持されている方々がある。その場合の根拠として、『教行信証』後序の「綽空の字を改めて、…名の字を書かしめたまい畢おわりぬ」(『聖典』400頁)の「名の字」が実名なのだから、坊号である「善信」とするのはおかしい、という論究の仕方があり、現今の議論の中心が「善信」は坊号か実名かということに集中している節がある。今、ここではその議論に巻き込まれるのでなく、別の観点を提出して、皆さまに再考していただきたいと思う。
 何よりも、親鸞聖人の畢生(ひつせい)の著書である『教行信証』が「愚禿釈親鸞」の名で書かれているということがある。総序・別序には「愚禿釈親鸞」とわざわざ自分の主体の名告りを出すし、後序では「愚禿釈の鸞」と出される。そして、各巻巻頭の撰号にも「愚禿釈親鸞」を置かれている。このことは、この名告りのもとに自分が仏法に値遇(ちぐう)した恩徳に応えるために、この書物を制作して法界に捧げるのだという意志があるといただくべきではないか。その名に「釈」の字を加えているということは、罪業深重の身にもかかわらず、本願力の回向に値遇することによって、「真の仏弟子」とされたということを表明している。資格なくして仏法の大海に導き入れていただいた感激が、「釈」の名のもとに報謝の制作事業を相続させたのだということであろう。
 「仏弟子」の名とは、釈尊以来、仏法を相続してきた共同体に参入を許された証である。近くは仏法伝持の師からその弟子になった証明として、名前をいただいて「法名」を名告るのである。断じて自分で勝手に名告るものではない。しかも、後序はこの著の「事由」を語る場所であり、「真宗興隆の大祖源空法師」(『聖典』398頁)との因縁を語って「名の字」をいただいたといい、「悲喜の涙を抑えて由来の縁を註(しる)す」(『聖典』400頁)と書いている。その数年後にこの因縁を捨てて勝手に自分で「釈」の名告りをするはずがない、と筆者は信ずるのである。
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