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親鸞仏教センター通信
第34号 June 2010
[巻頭言]ネットワークと人間
親鸞仏教センター研究員 常塚  聴
 インターネットは現在の社会にはもはや欠かせないものとなっているが、私が始めてネットに触れたのは大学三年生の二十歳のときだった。その頃はネットワークを利用しているのは理科系の学生や教員が多く、文学部の学生でインターネットを使っているのは私を含めてまだ数人しかいなかった。そもそもコンピュータを使っている学生自体まだそんなには多くなかった。
 私は以前からコンピュータには興味があったので、図書館に置いてあるネットワーク端末がインターネットに接続されていることが分かるとさっそく使用登録をし、手探り状態でネットワークの使い方を覚えていった。ある程度使えるようになったところで、自分でいくつかの文章を書き、ホームページを作ってそこに掲載した。
 ホームページを作ってはみたものの、それを見てくれる人もまだ少なく、メールもほとんど来ない日が続いていた。そんなある日、メールボックスに一通のメールが届いた。何気なくそのメールを読み始めて、私はぎくりとした。
 ホームページに載せた自己紹介の中に、私は自分が僧職にあると書いていたのだが、そのメールには、私にぜひ話したいことがあると書かれてあった。その方は最近家族と死別され、そのことが自分の責任であると感じて悩んでおられるとのことだった。そして、誰かに話を聞いてほしいのだと書いておられた。
 自分の趣味のことや事務的なことなら簡単に返事が書けたが、このメールについてはなかなか書けなかった。簡単に返事が書けるような内容ではなかった。そのメールを受け取る人の思いを考えると、たどたどしい言葉で、いつでもメールをください、話を聞くくらいのことしか私にはできませんが、と書くのが精一杯だった。それでもその方は、後で丁重なお礼のメールを送ってくださった。
 私が大学を卒業するころには、インターネットはすっかり社会に普及し、さまざまな連絡でメールを利用することも多くなった。メールボックスにも毎日何通もメールが届くようになっていた。それでも、ほとんど毎日空だったメールボックスにあの日届いたメールほどに、深く考えさせられたメールはなかった。あのメールを受け取った時に、端末はただの機械ではなく、その向こうには生きた人間が座っていること、そしてネットワークはただ機械をつないでいるのではなく、人間をつないでいるのだと実感したように思う。
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