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親鸞仏教センター通信
第40号 March 2012
現代と親鸞ということ
親鸞仏教センター研究員  内記 洸
 ここ、親鸞仏教センターの根幹にあるのは、現代と親鸞ということである。2001年の設立以来、東京という、時代的な変化が最も迅速に、最も顕著に表れる日本の中心地において、現代という時代的な状況と親鸞において示された思想とがいかなる接点をもちうるのか、ということがさまざまなかたちで探求されてきた。ただ、現代と親鸞思想との接点を探る、というこの課題の裏には、実は“もうひとつの接点”が含意(がんい)されているように思う。
 現代とは何か。それは過去の歴史事象と比較されてあるような、相対的なひとつの時代区分ではなく、私たちの各々が具体的に直面している今であり、ここである。どれだけ現代的な社会事情に精通しようとも、そのつど刻々と変わりゆく、自分自身の目の前の今、ここという現実に目を向けるのでなければ、それは空想的な何かに過ぎない。このことは、親鸞とは何か、という問いにおいても当てはまる。親鸞というものを思想内容としてのみ抽出した場合、それはすでに親鸞ではない。
 実際に親鸞聖人の言葉を紐解くとき、そこには親鸞自身の今、ここが溢れていることに驚く。歎異抄は親鸞のつねのおおせとして、弥陀の五劫思惟(ごこうしゆい)の願をよくよく案ずれば、ひとえに親鸞一人がためなりけりという言葉を伝えているが、この言葉は、現代と親鸞という課題が親鸞においてすでに成り立っていたことをよく表している。釈尊最後の言葉に自燈明、法燈明とあるように、本当に大切なことがら──真理や法と呼ばれるもの──は、一人ひとりの目の前の今、ここに常に凝縮されている。現代を生きる私たちに引きつけて言うならば、その現代という一点においてのみ、私と親鸞とが接点をもつ。
 当センターに来て一月ばかりたったころ、それぞれが納得するようにやってくださいという言葉をいただいた。親鸞とは研究者だから学ぶものではない。それはまた、仏教者だからでも、真宗の僧侶だからでもない。私自身が本当に納得できるということ。現代と親鸞という課題は確かに東京の一研究機関が掲げている標題にすぎないが、それは一部の研究者に閉じられた課題ではなく、今、ここを生きるすべての人にとって、その一人ひとりが担っていく根本的かつ具体的な課題である。東日本大震災以後、特に社会に対して何をなすべきかという論調が強いが、どこかそうした要求自体にふりまわされて今の私が見失われてしまってはいないか。本当になすべきことが定まるのは、私が定まるときである。
 現代とは何か。親鸞とは何か。
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