親鸞仏教センター
お問い合わせ
 
「現代を生きる人々」と対話するために
HOME親鸞仏教センター概要アクセスサイトマップ
濁浪清風今との出会い研究活動報告出版物紹介講座案内研究員一覧
 HOME > 出版物紹介 > 親鸞仏教センター通信
出版物紹介
機関紙 親鸞仏教センター通信
親鸞仏教センター通信
第41号 June 2012
危機の時代と親鸞
親鸞仏教センター所長  本多 弘之
 現代世界の危機的状況は、さまざまな様相を呈しながら、いよいよ行き詰まりが近いことの危機感を増している。危機として指摘されるのは、人類を取り巻く環境的な変化が一番目立つところであろうか。たとえば、地球の大気圏を覆い宇宙からの放射線を遮るはたらきをしているオゾン層が破壊されているとか、地球全体の気温上昇が続いて氷河の融解によって陸地が浸食されつつあるとか、地下資源の大量掘削で近い将来、資源が枯渇することが予測されるとか、さらには人口増加に食糧増産がついて行けず、食料不足の警鐘が鳴らされているなど、このままでは人類の生存を脅かすような事態が避けられないところまで来ているということが叫ばれているのである。
 こういう危機の状態が、平安から鎌倉にかけての、親鸞聖人の生きた時代の危機的状態に酷似しているのではないか、ということが最近指摘されている。だからして、現代の危機の事態に対して、親鸞聖人の思想が何らかの方向を示唆しうるのではないか、と言われる。たしかに、鎌倉幕府の成立(1192年)は、親鸞聖人の二十歳前後のことであり、政治体制の変革のみならず、天変地異・疫病・飢饉等が繰り返して襲う時代と重なるのが聖人の生涯であったらしい。
 決定的な相違点は、人間の知性によって科学文明が発達し、貨幣経済が高度資本主義による金融経済になって、その行き詰まりが迫っていることであろうか。このことを推し進めている人間の内面契機を探るなら、欲望の増長が顕著であろう。そのふくれあがる貪欲が人間の外形的部分を改変して、その結果が人間を取り巻く自然環境や人間関係をも危機的状況に追い込んでいるのではないか。
 しかし時代を超え、事態の相違点の大きさをも超えて共通していると言えるものがある。それは人間という存在が、愚かな凡夫であるということである。そして、限られた生命力・能力・身体を与えられて、取り替え不可能な一生を生きるものであるということである。この一回限りの生存を、有限の生命として生きるほかないのである。
 それにもかかわらず、この愚かな存在に、無限からの付与を受けていると感受できるかどうか。大悲の恵みをたまわって共にこの悲しき罪悪深重の身を生きるという、存在の深みの課題を見いだせるかどうか。これが困難な時代を生きた聖人からの大切な呼びかけなのではなかろうか。
ご購入・購読のご案内
Backnember ページトップへ
アンジャリ親鸞仏教センター通信現代と親鸞『教行信証』研究検証プロジェクト真宗聖典
濁浪清風今との出会い研究活動報告出版物紹介講座案内バックナンバー一覧
親鸞仏教センター
MAP
親鸞仏教センターTwitter親鸞仏教センターfacebook

親鸞仏教センター [真宗大谷派]<br>〒113-0034 東京都文京区湯島2-19-11
TEL 03-3814-4900 
FAX 03-3814-4901 
mail:shinran@higashihonganji.or.jp
 
掲載の記事・写真の無断転載を禁じます
Copyright©The Center for Shin Buddhist Studies. All rights reserved.
ホーム 親鸞仏教センター概要 講座のご案内 スタッフ紹介 バックナンバー一覧 リンク サイトマップ アクセス