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研究活動報告
公開講座 親鸞思想の解明
 連続講座「親鸞思想の解明」は、「浄土を求めさせたもの―『大無量寿経』を読む―」のテーマのもと、東京国際フォーラム(有楽町)において、当センター所長・本多弘之が問題提起をし、参加者の方々と質疑応答が行われている。この3月~8月は、新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、休講とさせていただいた。ここでは、先に行われた第128回から一部を紹介する。 (親鸞仏教センター嘱託研究員 越部 良一)
「浄土を求めさせたもの─『大無量寿経』を読む─」53

「無慚無愧」ということ

親鸞仏教センター所長 本多 弘之

 『無量寿経』に「無義無礼」(『真宗聖典』73頁、東本願寺出版、以下『聖典』)という言葉があります。義なく礼なしと。親鸞の言葉で言えば、これは「無慚無愧」という言葉になるのではないかと思うのです。慚愧の心がない。

 慚愧というのは、慚も愧も恥じるという心理を言い表す言葉なのですけれど、現代日本語で言う恥のように、人に見られて恥ずかしいというだけのこととは違います。真実に照らして恥ずかしいという言葉が慚愧です。我々は人が見ていないからいいだろうということで、心が動いてしまう。しかし、存在の本当の在り方を求めていこうとする方向性をもった場合には、その存在の本当の在り方に対して自分が起こす心とか行為が恥ずかしいと感じられる。だから『教行信証』「信巻」の『涅槃経』からの引用では、「慙愧」について、「「慙」は人に羞ず、「愧」は天に羞ず。これを「慙愧」と名づく」(『聖典』257頁)と言われるのです。慙というのは人に羞じるわけだから、倫理にもとることが恥ずかしいと。愧の方は、やはり恥なのだれども、道理に羞じる、あるいは教えに羞じる。同じ恥という心理だけれど、恥の質に二種類あるというのが、慙と愧という言葉に分かれてくるもとなのです。

 それを親鸞聖人は、「無慚無愧」とおっしゃるわけです。慚愧がないということは、ですから単に倫理的な話ではなくて、存在の道理の方に向かって恥じるということが、本当にはないのではないか、というのが親鸞聖人のお言葉の本意だろうと思うのです。親鸞の言葉というものは、真理の方に向かって生きようという意欲があることがまず第一にあるわけです。親鸞自身はそれを自力の心ではない、自力の菩提心ではないと。どこかで真理の側から見られていて、真理の側から呼びかけられていて、真理が催してくるような心なのです。だからそれは如来回向の信心と言われるわけです。それはこの五濁悪世を生きている煩悩具足の凡夫の心の中に立ち上がっていく。

 親鸞は和讃で、「無慚無愧のこの身にて まことのこころはなけれども 弥陀の回向の御 名なれば 功徳は十方にみちたまう」(『聖典』509頁)と。つまり、如来の名号というものが大悲の表現として与えられていることを信ずる。念仏を真実の依りどころとして、大悲の本願を信じていくことが成り立つところに、どれだけ人間が凡夫であろうと、愚かであろうと、罪悪深重であろうと、それと矛盾せずに大悲を信ずることが成り立つ。大悲なのですから、どのような衆生であろうと必ず救い遂げるのだと。

 無慚無愧ということは、それでいいのだというわけではない。無慚無愧という事実でしかないのです。これは他人ごとではない。けれども大悲をいただいていく。この五悪段を通して、これでもかというくらいに様々な悪の在り方の教えがあっても、何か人間は自己肯定をしたいし、自己弁護をしたいわけです。けれど、そうではないような公明正大な如来の御心の前に、お前の心は本当にそうなのかという確かめが与えられてくるのです。
(文責:親鸞仏教センター)
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