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研究活動報告
現代と親鸞の研究会
 2019年9月30日に、メディア論を専門とされる佐藤卓己先生(京都大学大学院教育学研究科教授)をお呼びして研究会が開催された。フェイクニュースがあふれているとされる現代はメディア論からはどのように見えるのか、またメディア論とジャーナリズム論の違いは何かなど様々なテーマを提供していただいた。私達の生活と切り離せないメディアを再考することにより、現代を学ぶ研究会となった。以下に、講義の一端を報告する。 (親鸞仏教センター嘱託研究員 田村 晃徳)
「ポスト真実」時代の輿論主義と
世論主義


京都大学大学院教育学研究科教授
佐藤 卓己 氏

■ 「真実を伝えよ」
 現在はフェイクニュースがあふれている「ポスト真実の時代」だと言われます。しかし、これは新しい現象なのでしょうか。ポストの前には「真実の時代」があったということになります。しかし、「真実の時代」のほうが本当はもっと問題ではないかと考えることもできます。なぜならばメディアは真実を伝えるべきだという考え方は、基本的にプロパガンダの発想なのです。ナチスドイツのゲッベルスも、ソビエトのスターリンもメディアには「真実を伝えよ」と要求し続けました。それは当然、彼らの目から見ての真実であり、それ以外は、メディアに載らなかった時代でもあります。

■ プロパガンダの代用語
 そもそも「マスコミュニケーション」とは、どういう言葉なのでしょうか。実はプロパガンダを置き換えるべくアメリカで出来た代用語なのです。プロパガンダはナチスや共産主義者がやっているので、民主主義国家のアメリカでは使えない。我々がやるプロパガンダは「マスコミュニケーション」と呼びましょうということで出来た新語です。そうすると、まさに「真実の時代」の息苦しさを、我々は忘れていないかという問題にもなるのです。

■ 「メディア論」と「ジャーナリズム論」の違い
 私は大学でメディア文化論を教えていますが、最初にする話は、「ジャーナリズム論とメディア論の違いは何か」についてです。ジャーナリズム論は、多くの大学で行われています。それは現場のジャーナリストや、退職された方が教えていることも多いと思います。しかし、私がこれからお話しするメディア論、あるいはメディア文化論は、ジャーナリズム論とは異なるものです。どのような点が違うか。それはジャーナリズム論は基本的に「真か偽か」「正しいか間違っているか」を問題にします。それに対して、メディア論は、もともとマスコミュニケーション研究を前提に成立したということもあり、「真か偽か」ではなくて、「効果があるかないか」を問題とします。つまり内容の真偽ではなくて、効果の大小を問題にするのがメディア論であると言えばわかりやすいですね。

■ 情報の影響力
 つまり極端な話、嘘であっても影響力のある情報というのは、重要な研究対象となるわけです。それに対して、ジャーナリズム論においてフェイクニュースははじめから退けられることになります。「真か偽か」を問題にするのですから、そうなります。しかし、メディア論においては、フェイクかトゥルースか、真か偽かというよりも、その情報がどの程度の影響力をもつかに研究の力点があるのだと説明しています。

■ あいまいさに耐える
 「真か偽か」という判断はAIが最も得意とするところです。しかし逆にAIが一番苦手とするのは、あいまいな情報なのです。そのあいまいな情報を「ポスト真実」という形で退けてしまうとどうなるでしょうか。恐らく人間としての私達の生き方が、まさにAI化するような社会をつくることになってしまいます。そのようにならないためにも、如何にあいまいさに耐えるべきかをメディアリテラシーの問題として提起したいと思うのです。

(文責:親鸞仏教センター)

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