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研究活動報告
英訳『教行信証』研究会
この研究会では、鈴木大拙師の英訳『教行信証』を底本に、『教行信証』の現代的表現の試みを、2002年7月から月2回のペースで進めています。
 以下、研究会について報告します。(櫻井智浩)
■鈴木大拙訳『教行信証』研究のねらい
 本研究会のねらいは、真宗と鈴木大拙(1870〜1966)の禅を中心とした大乗仏教理解、さらに欧米圏のキリスト教という三つの思想的立場を乗り超え、『教行信証』を現代の言葉で理解することにある。
 『教行信証』前四巻の英訳(1961年草稿完成、1973年出版)は、欧米圏への親鸞思想の発信とともに、現代日本語への再訳の展望をもっており、漢語文化よりも西洋的な思考に慣れた現代人には、理解の上で身近なものと言える。しかし、その訳文には、禅者・鈴木大拙の『教行信証』理解が反映されており、単に訳文を追うだけではなく、大拙の仏教思想、そしてそれを英語で語る中で培った知見を、われわれ自身も学んでいく必要がある。
 親鸞聖人の思想を大拙師のように生き生きとした言葉として理解し、伝えていく取り組みは、センターの願いの具体化にも大きく寄与するものと思われる。
■研究会の概観
 現在、「総序」を一旦読了し、相当箇所のグロッサリー(語彙集)を和訳しつつ、日本語訳の再検討を行っている。その中で、例えば、次のような点が指摘された。
[1]大拙師の「本願」理解について
 師の仏教理解の特色は、訳語にも端的に表れている。例えば、一般的には、Original Vow(本来的な誓い)と英訳される「本願(弘誓)」に、Prayer(祈り)という訳語をあてている。初期の論文では、Original Vowと訳されており、この訳語は、師の思索の一到達点と言える。グロッサリーに含まれる自身のノートには、「〔本願とは〕人間の言葉で表された阿弥陀そのもの」(Amida himself expressed in human terms)とあり、師独特の理解の一端をうかがうことができる。
[2]大拙師の表現方法について
 表現方法にも着目すべき点がある。仏教思想の伝達にあたって、欧米では一般的な思想表現が大胆に採用されている。その場合、共通点が多い概念を相違部分に注意を促しながら借用する一方、仏教とは相容れないような概念を取り上げて、両者の相違を際立たせるという手法も認められる。いずれも、仏教のみならず、実際に西洋に身を置き、そこでの生きた思想を理解することなくして果たされないものである。現代社会に、仏教、親鸞聖人の思想を発信していくとき、伝える相手のことを知る重要性を、ここに見ることができる。
■坂東性純先生をお迎えして
 ある人物の思想を探究するとき、その人物像に触れていくことも重要である。2003年2月4日には、浅草ビューホテル(台東区)において、大拙師に師事された元上野学園大学教授の坂東性純先生(写真)をお迎えし、「鈴木大拙師の英訳本に学ぶ」と題してご講演をいただいた。
 坂東先生から、大拙師との関わり、英訳『教行信証』執筆の経緯とその意義、ご自身も関わられたグロッサリーの編纂など、多岐にわたって興味深いお話をうかがうことができた。

 大拙師の真面目は、仏教を世界的思想として紹介し、自身の生きざまとしても体現されたことにあります。外国語で表現する場合、内から外へという方向性に目が向きがちですが、「本願」の訳語にも見てとれるように、実は、仏教の新たな思想表現の模索であり、仏教そのものの理解の深化にほかなりません。「外は広い、内は深い」という大拙師の言葉に促されながら、これからも研鑽を重ねていきたいと考えています。
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