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研究活動報告
親鸞仏教センター研究交流サロン
第4回「親鸞仏教センター研究交流サロン」を開催(2011年2月22日)
テーマ いま〈いのち〉に向き合うということ
      ―メタバイオエシックスの視点から―


発題 香川 知晶  コメンテーター 池上 哲司

  親鸞仏教センターでは、さまざまな分野の有識者との交流が、当センターと有識者間だけに留まらず、有識者相互間の研究交流へと展開し、そこから新たな視座を得ることを目指し、「親鸞仏教センター研究交流サロン」を開催している。その第4回目を、池袋ステーションコンファレンス(東京都豊島区)を会場に開催した。
 今回は、「いま〈いのち〉に向き合うこと―メタバイオエシックスの視点から―」をテーマに、山梨大学大学院教授の香川知晶氏から発題をいただき(写真・右)、大谷大学教授の池上哲司氏(写真・左)からコメントをいただいた後、約30名の参加者の間で意見交換がなされた。
 香川氏の発題では、まず、「バイオエシックス」(生命倫理)という分野の起源と現状に触れ、「現状のバイオエシックスの第一の関心は、医療・生命科学の政策立案であり、応用倫理というよりも応用法学の意味合いが強くなっている。そのことにより、当初バイオエシックスにあった、「人間についてのより広い見方」が、その展開の過程で失われてきているのではないか。例えば、臓器移植法は、人々にある種の思考停止をもたらしたのではないか。それにより、臓器移植における「日本の遅れ」の論点が、科学的に遅れているということではなく、提供臓器が少ないということ、さらには、倫理・道徳・奉仕の精神が遅れているということに直接移行してしまった。つまり、議論の中心が「脳死は人の死か」から「臓器移植をいかに増やすか」ということにすり替わってしまった。そこで、今一度、議論を活性化させ「人間についてのより広い見方」を回復させていくことが、メタバイオエシックスの役割である」と述べられた。
 続いて、池上氏からは討議の糸口として「メタバイオエシックスの具体的かつ最終的な依りどころは何か、それを明示していくことによって、この考え方が新しい人間観の創造を喚起し、救済ということにつながっていくのではないか」などの提言をいただき、参加者とともに、個々の「生死」についての考え方や、人体が資源化され、医療の問題が政治や産業の問題にすり替わっていくことの問題など、活発な意見交換がなされた。

(文責:親鸞仏教センター)

※ 内容は、『現代と親鸞』第23号に掲載しています。




香川 知晶(かがわ ちあき)
山梨大学大学院医学部精神神経医学・臨床倫理学講座(精神科)教授
 1951年、北海道生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。山梨医科大学助教授、山梨大学教授を経て、現在、山梨大学大学院(医学部)教授。東京大学非常勤講師。専門はフランス哲学、応用倫理学(生命倫理学、脳神経倫理学)。
 著書に『命は誰のものか』(ディスカヴァー携書)、『メタバイオエシックスの構築へ―生命倫理を問い直す』(著者:小松美彦・香川知晶)(エヌティティ出版)、『生命倫理の成立―人体実験・臓器移植・医療停止』『死ぬ権利』(以上勁草書房)、共編著に『バイオエシックス入門』(今井道夫共著)(東信堂)など多数。

池上 哲司(いけがみ てつじ)
大谷大学文学部哲学科教授
 1949年、東京生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程(哲学専攻)単位取得退学。大谷大学文学部哲学科専任講師を経て大谷大学文学部哲学科助教授。1983年から1985年3月まで西ドイツ・アウクスブルク大学に留学。1992年大谷大学文学部哲学科教授、現在に至る。
 著書に『不可思議な日常』(東本願寺出版部)、『自己と他者―さまざまな自己との出会い(叢書《エチカ》(3))』(昭和堂)、翻訳に『近代政治哲学入門(叢書・ウニベルシタス)』(法政大学出版局)、『倫理学の根本問題(現代哲学の根本問題3)』(晃洋書房)など。
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