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研究活動報告
「『教行信証』と善導」研究会
 親鸞仏教センターでは2010年以来、一貫して『教行信証』をテキストとする研究会が続いている。本研究会も同様に、『教行信証』の読解を通して、親鸞思想を現代に発信する基礎の構築を目指すものである。ただ、これまでの研究会は、『教行信証』の各巻にスポットを当てたものだった。しかし、本研究会では少し趣向を変えて、善導著作からの引文に注目し、読解を進めていく。そして『教行信証』における善導引文の意義と役割を確認し、親鸞が善導教学から継承した課題を浮き彫りにする端緒としたい。
善導引文に注目して
  『教行信証』を読む意義


親鸞仏教センター研究員 青柳 英司

 そもそも善導は中国唐代の仏教者であり、中国浄土教の大成者と呼ばれた人物である。日本においても、親鸞の師・法然が浄土教へ帰依したのは、善導の『観経疏』を読み、その教えに導かれてのことであった。そのため法然は主著の『選択集』のなかで、「偏(ひとえ)に善導一師に依る。」(『真宗聖教全書』1・990頁)と表白し、また、「善導は是、弥陀の化身なり。」(『真聖全』1・993頁)とまで述べている。この点だけを見ても、善導思想が法然に及ぼした影響の大きさを、うかがい知ることができる。

 そして、法然の弟子である親鸞においても、善導思想を重視する姿勢に変わりはない。例えば「正信偈」では、「善導、独(ひと)り仏の正意を明かせり。」(『定本教行信証』90頁)と讃嘆しており、また『浄土文類聚鈔』の「文類偈」では、「深く本願に藉(よ)って、真宗を興ず。」(『定本親鸞聖人全集』2・漢文篇・144頁)と、その業績を確かめている。また『教行信証』の場合でも、善導の引文は「教巻」を除くすべての巻に配され、引用回数も極めて多い。つまり善導の思想は、親鸞が『教行信証』のなかで扱う問題の多くに影響を与えていたと考えられるのである。事実、「行巻」では親鸞の名号釈を生み出し、「信巻」では三心一心問答の思想的背景を形成している。さらに「化身土巻」で展開される「顕彰隠密」の思想も、その淵源は善導にある。ここから見れば善導の教学は、親鸞思想に血肉を与えていると言っても過言ではないであろう。

 しかし、その引文群の読解に関しては、未だに不十分な点が多く残されているように思う。例えば善導の著作は五部九巻の多くに渡り、そのすべてを親鸞は『教行信証』へ引用しているが、原典の文脈に対する詳細な検討はほとんどなされていない。そもそも伝統教学は善導の著作を、主著である『観経疏』(本疏)と、その他の四部(具疏)に区別してきた。そして、具疏のほうは「行儀」を説くものとして、あまり重視してこなかったのである。そのため『観経疏』を除く善導の著作は、近代以降ほとんど研究されてこなかった。しかし、親鸞自身は善導の著作に、そのような差は見ていないのである。

 また、引文の構成についても、十分な研究はなされていないように思う。例えば「行巻」の場合、親鸞は善導の引文を受けて名号釈を展開しているが、その元となる「玄義分」の文章は、引文群の途中に配置されている。なぜ、直前に置かなかったのだろうか。このような問題についても、十分には検討されていない。

 よって本研究会では、親鸞が見ていた善導像の復元を課題としつつ、『教行信証』における善導引文を読み解いていきたい。
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