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ブックレビュー(書評)
2008年 1月
『親鸞』
  伊藤 益 著 [集英社 660円 2001年]

 場を占める、食べ物を食す。こうした私たちの日常的行為はすべて他者の排除によって成り立っている。この私が居る場所からは他者は締め出され、食べられるものはこの私のためにその命を捧げてくれているのである。本書のなかで、合理主義の信仰のもととして「理性主義は、理性の能力に関して優位に立つ者が、その能力に関して劣る者の生存と存在とを左右しうると考える」という、アウグスティヌスの言葉が紹介されている。しかしながら、私たちは自らの生存の足場を深く見つめれば、存在そのものが悪であるという感想を懐かずにはおれないのではないか。そうした悪なる存在であることを自覚しながら、なおかつ私たちが生きていくとすれば、そこに要請されてくるのは、せめて残さず食べる、他者に対して譲り合うといった、人とのあいだの倫理ではないだろうか。親鸞の思想は、存在悪の自覚において類を見ない深さを示しているように思われる。

文責:山本 伸裕(センター研究員)

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