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ブックレビュー(書評)
2008年 5月
『狂気と王権』
  井上 章一 著 [講談社学術文庫 1047円 2008年]

 「正常」と「異常」という二つの概念は、一見明確に違うものであるように見えながら、実はかなり恣意(しい)的にその境界線が操作されているということは、犯罪に精神鑑定が絡(から)むような事例の際にしばしばあらわになることである。それはむしろ、本来引けないところに無理にはっきりと境界線を引こうとしているということのあらわれであるともいえよう。
 本書が取り扱うのは、その境界線の引き方がとりわけ国家のあり方に関わるような問題につながったケースである。天皇を狙(ねら)ったテロリストを「異常」として処理しようとする一方で、自らは「正常である」と抗弁するテロリストがいる。「正常」な精神の持ち主が反逆しうるということを認めるわけにはいかないが、「異常」であるとなると罪には問えないというジレンマがある。「正常」と「異常」の境界線をめぐる問題という場に、日本における「権力」のあり方が浮かび上がってくる。

文責:常塚 聴(センター研究員)

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