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ブックレビュー(書評)
2008年 10月
『ヴァーグナーとインドの精神世界』
  カール・スネソン 著、吉水千鶴子 訳 [法政大学出版会 2800円 2001年]

 本書は、作曲家ヴァーグナー(ワーグナー)を、インド学の視点からとらえた著作である。彼はインドの精神文化、とりわけ仏教に深く傾倒し、釈迦を主人公とした楽劇まで書いていた。それ自体は未完成に終わったが、遺作『パルジファル』には仏教的なモチーフが数多く盛り込まれたという。
 本書が明らかにするのは、19世紀のヨーロッパが抱いていた、ある種の憧憬(しょうけい)としてのインドの姿である。ヴァーグナーの仏教理解はショーペンハウアーの哲学に沿ったものであったが、注目すべきは、彼自身は決して当時の仏教研究に無知だったわけではなく、むしろ、自分の仏陀像が、研究による結論と異なることを承知していたことである。他者に対してイメージを描くとき、「実際はどうであるのか」ということは、実はそれほど重要とされない。自らの内なる課題の投影として理想化された仏教こそヴァーグナーの、そして同時代の多くのヨーロッパ人たちの「仏教」だったのである。

文責:春近 敬(センター嘱託研究員)

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