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ブックレビュー(書評)
 
2009年 6月
天皇の玉音放送』
  小森 陽一 著 [河出書房新社 1600円 2008年]

 毎年夏の一時期になると、テレビやラジオから流れてくる声がある。「堪え難きを堪(た)え、忍び難きを忍び…」といういわゆる「玉音放送」の一節である。戦争の終わりと「戦後」の始まりを示すこの声は、いわば戦後日本の原点といえる。
 しかし、この流される「声」にはひとつの隠されているところがある。一見すると、国民に敗戦の屈辱に堪え、戦後の困窮を忍ぶように要請しているように思われるが、実際の文章を読むとそうではない。「堪え」「忍」んでいるのは天皇自身である。天皇が語っている相手は国民ではなく「皇祖皇宗」、つまり自らの祖先であり、天皇は国民ではなく自らの祖先に対して謝罪しているのである。著者はここに日本の戦後社会がその始まりから抱えていた欺瞞を見る。
 現代の日本社会のあり方を、その基盤から改めて問い直すきっかけとなる好著である。

文責:常塚 聴(センター研究員)

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