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ブックレビュー(書評)
 
2010年 5月
『隠された風景―死の現場を歩く―』
  福岡 賢正 著 [南方新社 1600円 2004年]

 「そりゃあ私たちだってかわいそかて思うよ。でもそれじゃあ、そのかわいそうなやつらを処分しとる自分らはいったい何なのよ」(第一部「ペットの行方」より抜粋)
 福岡県だけで毎年約三万匹の犬猫が、殺処分されているという事実がある。そのほとんどが持て余した人間の手によって野に放たれたペットたちである。処分を引き受ける動物管理センターの職員は、自らを「必要悪」と卑下(ひげ)し、彼らの働いている施設は一部の人々から「動物のアウシュビッツ」として非難された。著者はそのような現状に強く疑問を呈している。
 本書によって見えてくるのは、死を嫌い、死の匂いを徹底的に隠蔽(いんぺい)しようとする現代社会の構造である。われわれの生は、無数の死によって成り立っている。しかし、食料品店に並ぶパッケージングされた肉を頬張(ほおば)るわれわれは、数時間前までそこに命のドラマがあったことを知る由もない。それどころか、「かわいそう」という、耳触りの良い言葉をもって、彼らの行為を「悪」として非難する。そんなわれわれの胸の内にこそ、本当の「悪」は宿っていると著者は語る。

文責:花園一実(センター研究員)

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