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ブックレビュー(書評)
 
2010年 6月
『デミアン』
  ヘルマン・ヘッセ 著
  高橋 健二 訳
[新潮文庫 400円 1951年]

 「すべての人間の生活は、自己自身への道であり、ひとつの道の試みであり、ひとつのささやかな道の暗示である。どんな人間もかつて完全に自分自身ではなかった。しかし、めいめい自分自身になろうと努めている。ある人は朦朧(もうろう)と、ある人はより明るく。めいめい力に応じて。」
 ヘッセが語るのは、「私自身の物語」、「現実の、ただ一度きりの、生きている人間の物語」だ。というより、本来それしか語れないのであり、だからそれしか語らないのだ。すべての人にとって、「私」と「世界」とは決して区別することができない。
 この作品に一貫する二つの世界モデル―幸福と平和に彩(いろど)られた、秩序としての「家庭」と、その秩序が無に帰してしまうような、謎めいた、恐ろしい、しかしそこから決して目を離すことのできないような悪魔的な(damonisch)もの、すなわち"デミアン"―は、同時に「私」の"内容"そのものだ。この二つの異なった、しかし重なった世界において、われわれは皆、それぞれが"始源なるもの"を求めつつ生きるアベルでありカインなのである。

文責:内記 洸(センター嘱託研究員)

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