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ブックレビュー(書評)
 
2010年 10月
『多主語的なアジア』
  杉浦康平 著 [工作舎 2,800円 2010年]

  書名にあるこの「多主語的」とは著者の造語である。「私が○○する」といったような、自己を強調する西欧における一主語的な発想に対し、森羅万象あらゆる存在がこの私とつながりをもち、私の中に息づいているというアジア文化特有の生命観を「多主語的」と表現するのである。
 本書では、いまなおアジアに残るさまざまな造形物や、古の儀式などのデザインから、この多主語的な精神を読み取ることを試みている。目を凝らせば実はすぐ近くにある、脈々と受け継がれてきたアジアの多主語的世界観に意識を向けてみることの意義は大きい。私たちは西洋的近代化の波に迎合し、無反省に自我を拡大しつづける在り方から少し立ち止まる必要があるのかもしれない。
 本書の中で、私が特に目を奪われたのは、インド、ムガール朝時代に描かれた「話す木」という細密画である。それはアレキサンダー大王に予言を授けたとされる伝説上の木で、その画は遠くから見るとただの大木だが、よく見ると、咲いている花から幹に至るまで、すべて蛇や馬や猫や人間などの生物たちで構成されているのだ。これはとても文章では表現できない、むせかえるような、生命のざわめきを感じさせる一枚である。

文責:花園一実(親鸞仏教センター研究員)

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