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ブックレビュー(書評)
 
2010年 11月
『地獄は一定すみかぞかし 小説暁烏敏』
  石和鷹 著 [新潮文庫  2000年]

  もしあなたが・・・ご自分の前途ある息子さんを殺害した犯人と向かい合ったとしたら……。平静な気持ちで、この男こそ自分よりも手厚く浄土へ迎えられるべき如来の愛し子だと思えますか?

 私たちは普通、幸せになりたい、楽しい人生を送りたいと思って生きている。たとえ一時的にであっても、辛(つら)く苦しい思いをするというのは嫌なものだ。地獄は嫌で天国に行きたい。そして、私たちの社会がより良い方向へと努力することに道徳的な価値を見いだしているのも、この「天国へ行きたい」という感情が、私たちのうちでしっかりと共有されているからであろう。
 だから、その傾向にこそ問題がある、と言われてもなかなか納得できない。善への上昇志向とは、裏返せば、自身の悪、他人の悪に対する強烈な嫌悪感に他ならず、それこそが問題なのだ、と言われても、頭ではわかっても体がなかなか頷(うなず)かない。本書を通して感じるのは、「わかるけど、わからない」という、現実の問題を通してのこの繊細さを受け止めていくことがなければ、法然や親鸞が言った「念仏ひとつ」ということに何のリアリティももてないのではないだろうか、ということだ。

文責:内記洸(親鸞仏教センター嘱託研究員)

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