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ブックレビュー(書評)
 
2011年 2月
『関係としての自己』
  木村敏 著 [みすず書房 2,600円 2005年]

 私たちはみんな、「私として」生きているわけであって、それ以外の誰かとして生きているわけではない。他の動植物と比べても、人間は誰でもこの「私」を止めることはできないし、「私」であることにこだわって日々生活している。ただ、普通にはごく当たり前であるはずのこの認識が、統合失調症や離人症などの病気に苦しむ患者にとってはそうでないらしい。
 精神病理に携わる木村氏は、「私」ということをリアルに感じられないというこの状況を、「自己と自己との無関係」あるいは「自己と非自己との関係」として理解する。これはつまり、「私(自己)である」ということが、それ単独で成り立っているわけではなく、それ以外のさまざまなものとの「関係」、「あいだ」、「差異」において成り立っているということである。一見、難解な木村氏の思想だが、それは単なる理屈の話ではなく、精神の病に苦しむ患者との実際の「関係」に基づいている。自由とわがままとをはき違えたり、協調性のために個性を抑圧したりと、他人との関係性に悩みつつ生きている私たち現代人にとって、著者のこの「関係としての自己」が問いかけるものは大きいのではないだろうか。

文責:内記洸(親鸞仏教センター嘱託研究員)

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