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ブックレビュー(書評)
2011年 5月
『西田幾多郎−人間の生涯ということ』
  上田閑照 著 [岩波書店(同時代ライブラリー) 971円 1995年]

 「いろいろな機会に、よく私は西田幾多郎に会ったことがあるかと尋ねられます。そのたびに、戸惑い、そして自分でも不思議な感じになります。私は西田先生に会っていませんので、『会ってはいません』と答えますが、そう答えながら、同時に、会っていないということはあり得ないような気持ちが残ります。」(「あとがき」より)

 タイトルが示しているように、本書が主題とするのは哲学者西田幾多郎の生涯である。しかし、そこでは、西田という一個人の一生がただの伝記として語られているのでもないし、難解といわれる彼の思想を、いわばよくある入門書の類のように抽出し要約することを目的としているわけでもない。もちろん、西田の生涯の出来事が順を追って、しかも非常にわかりやすく綴(つづ)られていることに間違いはない。しかし、それがただの"出来事"としてあるのではなく、まるで西田本人が自身の人生を語っているかのようにリアルにこちらに迫ってくるのは、本書全体が、著者である上田氏の「感動」を土台として描かれているからであろう。その迫力は、西田自身の"難解"な哲学的表現の奥に潜む、彼自身の「生」の質感と同質のものである。引用にあるように、氏にとって、西田に「会っていないということはあり得ない」。その人が生きていようが死んでいようが、生身であろうが書であろうが、「人に出会う」ということは、本来、そういうことではないだろうか。

内記洸(親鸞仏教センター研究員)

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