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ブックレビュー(書評)
2011年 7月
『語りかける季語 ゆるやかな日本』
  宮坂静生 著 岩波書店 2,100円 2006年]

 「地貌季語は地域に根ざしたことばであるだけに、広く普遍性(ふへんせい)がないという見方もあろう。が、私はことばの普遍性とは、その言葉を用いる者がいかに歓びに満ち、生きがいとして用いているかによるのではないかと考えている。・・・そのような小さな感動こそお互いに通じ合えるのである。そこには言葉の意味以上に大切なものがある。純化され、共通語となったことばの美意識だけが、ことばの普遍性ではないのである。」

 「地貌(ちぼう)」とは、それぞれの地域にみられる「土地の貌(かお)」のことである。それぞれの土地にはそれぞれ独自の「表情」があるように、それぞれの土地で生きる人々は、それぞれ独自の「言葉」をもっている。著者が「地貌季語」ということばで表現しようとしているのは、いわば、そうした土地独特の「言葉」に表れた、現地に暮らす人々の「貌」であろう。俳句における「季語」というのは、それによって初めて俳句が成り立つ「型」であり、ルールであるが、同時にそれはまた、「雪月花(せつげっか)」を頂点に固定化されたものであるがゆえに、本来言葉のうえに表わされるはずの生き生きとした自然の生命感を俳句から奪っているのではないか、と著者は問う。本書で紹介されているさまざまな「地貌季語」を通して、言葉以前のもの、言葉の奥にある普遍性について考えたい。

内記洸(親鸞仏教センター研究員)

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