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ブックレビュー(書評)
2013年10月
『欧化と国粋 ——— 明治新世代と日本のかたち』
  ケネス・B・パイル 著 
   松本三之介監訳/五十嵐暁郎訳
[講談社学術文庫 2013年]

 アメリカが「日本ブーム」だった1960年代に書かれたこの名作が、今日、正確に日本語で訳され、微妙なニュアンスまでも誠実に再現されている。「有」か「無」か「是」か「非」かのようにかたよった論争に落ちやすい日本の「国粋問題」が、著者によって冷静に論じられている。「明治維新から太平洋戦争までの時期がいわゆる『悪意国粋』への一直線だった」という意見に対しては妥当性が欠けていると指摘して、(1)実用的な面でも倫理的な面でも徹底的な欧米化を謳(うた)っていた人たちと(2)尊皇攘夷的な思想を抱いていた人の間には、さまざまな階調的な意見と立場があったことを主張していく。
 また、本書は明治において現代日本の宗教観のルーツを作った人たち、例えば、清沢満之や鈴木大拙の思想的な背景を理解するのに欠かせないものだと言えるだろう。英文が書き上がってから30年以上も経っている今日———すなわち、高齢化、いじめ、グローバル化による自分の民族的なアイデンティティなどについての問題と直面している日本で———「日本」及び「日本人」をどのように定義すればよいかの問題に対して、時を超えて本書がさまざまな意見を投げかけてくる。

ステファン・グレイス(親鸞仏教センター嘱託研究員)

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