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ブックレビュー(書評)
2014年6月
『教誨師』
  堀川惠子 著    講談社 1700円 2014年

 本書は、教誨師(きょうかいし)として死刑囚と向き合い続けたある一人の真宗の僧侶が、その生涯の最後に語ったものを纏めたものである。もちろん一人の教誨師の語ったところであり、死刑囚のすべてが語られているわけではない。しかし、塀の外にいる私の知らない葛藤が、苦悩が、厳粛さが、恐らくはその一端であろうが、そこには綴られている。
 ニュースで凶悪犯罪を耳にしたとき、「あんな奴は死んでしまえばいい」と思うことがよくある。その罪は許されるものではないにせよ、しかし短絡的にそう思う私は、その事件の何を知っているというのか。それは単なる個人の資質に帰することのできない、当人もどうすることのできない業縁(ごうえん)の然(しか)らしむるところではなかったか。そうであれば、彼と私とどれほどの差異があるのか。
 世間に見放された者に「救い」を与えるのが自分の使命だと思った僧侶は、やがて「救う」などと考えること自体が偽善ではないか、と苦悩していく。それは教誨の現場に限ったことでもないであろう。私の前に、解決のつかない問題が広く広がっている。

親鸞仏教センター研究員 藤原智

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