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研究活動報告
公開講座 親鸞思想の解明
 連続講座「親鸞思想の解明」は、「浄土を求めさせたもの―『大無量寿経』を読む―」の第129回が東京国際フォーラム(有楽町)で行われ、当センター所長・本多弘之が問題提起をし、有識者と一般参加者の方々との間で活発な質疑応答がなされた。ここでは、先に行われた第126回から一部を紹介する。 (親鸞仏教センター嘱託研究員 越部 良一)
「浄土を求めさせたもの─『大無量寿経』を読む─」52

空しく過ぎるひとなし

親鸞仏教センター所長 本多 弘之

 「身独り空しく立ちてまた依るところなし」(『真宗聖典』72頁、東本願寺出版、以下『聖典』)。「空しく立ちて」というのは、周りに頼るべきものがないということ。天親菩薩の『浄土論』では「空過」、空しく過ぎるという言葉があります。この人生はどうやって見ても空しく過ぎるという面をもつ。だから空しく立つというのは、「ああ、この人生は一体なんだったのだろう」と、時には思わされる。これが人生だったのだと頷けるようなものが感じられない。

 ところが、阿弥陀如来の大悲に遇うということの意味を、親鸞聖人は空しく過ぐる者はないと言われる。つまり出遇ったことがもう十分意味を与えてくださっている。それは天親が不虚作住持功徳と名づけている浄土の功徳です。我々は「空しく過ぎているな」と自分の人生を感じたときに、「南無阿弥陀仏」というひと言で、「ああ、空しくなかった」と思えるか。そう教えが聞けているかというと、人前ではこのような偉そうなことを言っているけれど、自分自身は「ああ、空しく過ぎたな」と感じてしまう面もあるのです。しかし、「本願力にあいぬれば むなしくすぐるひとぞなき」(『聖典』490頁)と和讃で親鸞聖人は語っているわけだから、「ああ、そうか、やはりそういう出遇いをしなければいけないのだな」と。

 そういう出遇いをするということは、「現生に十種の益」(『聖典』240頁)、利益を感ずるということでもあり、「願生彼国、即得往生」(『聖典』44頁)、願生すれば即往生すると言える人生なのだと、そういう頂き方をするということなのです。必ず往生するぞと信ずるのではなくて、『無量寿経』で語っている往生するということは、浄土に生まれたら正定聚だと語っているわけですから、正定聚を現生で得るということは、浄土に生まれた功徳を得るということです。そういう出遇いをしなければ、親鸞聖人が言うお言葉にふさわしいとは言えないわけです。それはなかなか大変なことです。それでも親鸞聖人は、やはり煩悩の身、無慚無愧の身であると、そう言うのです。それと何ら矛盾しないはずなのです。そのくらい阿弥陀の光が明るいことを実感しておられるわけです。

 これが若いうちはほとんどわからなかったですね。この歳になってわかるかというと、相変わらず何だかちょっとわからないのですけれども、それでも親鸞聖人がおっしゃる本当の信念の内実というものに近づいてみたいという思いがあるものだから、この人生で満足成就したと言える、そういう思いが本当に与えられるのならば出遇ってみたいと思うのです。金子大榮先生はそれを言っておられました。自分の人生は完全燃焼の人生でしたと。あそこまではなかなか言えませんけれど、少なくとも親鸞聖人は、心は愚かである、そして光は十分に与えられてある、自分の煩悩からは見えないけれど、向こうは見てくださっていると信ずるのだと。願力に遇いぬれば空しく過ぐる者はないと頂かれたということは、こういうことなのです。不思議な言い方だと思うのです。
(文責:親鸞仏教センター)
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