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研究活動報告
清沢満之研究会
 この研究会は、「清沢満之研究『宗教哲学骸骨』読解」と題して、2002年7月から月1回のペースで進めています。テキストには『宗教哲学骸骨』(以下、『骸骨』と表現)を選び、各章を読み進める形で行っています。
 以下、研究会について報告します。(田村晃徳)
■『宗教哲学骸骨』を読む意味
[1]清沢満之の思索の原点を学ぶ
 『骸骨』は清沢の宗教哲学者としての側面が端的に示されている書物であり、満之における本格的思索の出発点である。満之の初期の思想、ことに宗教理解をたずねるうえで、重要な書物である。
[2]満之の思索の全体像をとらえる
 哲学を学んでいたことが、後の思索にどのような影響を与えたのか、あるいは与えなかったのかについても視野に入れつつ、学んでいく。
[3]日本の宗教哲学の原型を確認する
 日本最初期の本格的な宗教哲学の著作である『骸骨』を始めとする清沢の宗教理解は、後の思想界にも影響を与えた。その意味で、『骸骨』を学ぶことは日本の宗教哲学の原型を確認することとなる。
 清沢自身が『骸骨』の講義で述べているように、「宗教哲学」は当時ようやく確立された領域であった。つまり、清沢は当時における最新の方法を用いて、宗教の本質を明らかにしようと試みたのである。その意味では、若き学徒としての満之の決意をうかがい知ることができる。
■研究会から見えてきたもの
 研究会の具体的な方法としては、『骸骨』本文と1893(明治26)年にシカゴで行われた「万国宗教大会」に提出された『骸骨』の英訳文を用いている。両者をそれぞれ現代語に訳し、そこから見えてきた問題点などを議論している。論点は多岐にわたるが、これまでに、例えば次のような点が挙げられた。
[1]清沢の「道理心」理解について
 『骸骨』の第1章では、宗教心と道理心の関係が述べられている。清沢は「若し道理と信仰と違背することあらば、寧ろ信仰を棄てて、道理を取るべきなり」と述べ、「信仰は道理によりて矯正」されるものであるとするほど、道理に対して信頼をしていた。しかし、その一方では「道理は其の性質不完全を免れざるもの」であるともしている。道理と信仰は「互に相依り、相助くべき」であるとしていたが、清沢において道理心はどのように位置づけられていたのか。
[2]主伴互具について
 「主伴互具」は『骸骨』の最重要概念の一つである。その主伴互具という関係について知ることが「宗教の要」(原文)であり、「深い宗教的確信」(英訳)であると清沢は述べる。しかし、主伴互具、つまり有限はそれぞれ主−伴の連関を有しているという認識は、宗教的確信よりもむしろ哲学的確信のようにも思える。それをあえて「宗教的確信」と述べる清沢の意図はどこにあったのか。  この他、有限無限の関係についてなど、議論した点は多数あり、今後の研究会において、一層、問題点を確かめていきたいと考えている。
■今村仁司先生、寺川俊昭先生をお迎えして
本研究会では、専門の先生をお招きして講義をいただいている。


今村仁司先生
 2002年12月17日には、東京ガーデンパレス(文京区)において東京経済大学教授の今村仁司先生(写真)をお迎えし、「清沢満之における『宗教哲学骸骨』の思想的意義」と題してご講義をいただいた。今村先生は、『骸骨』の背景にある西洋思想の系譜から『骸骨』の思想的意義について述べられるとともに、『骸骨』には、当時の仏教界に清沢が抱いていた危機意識が流れていること、『骸骨』の山場は「有機存在論」であり、これは日本近代史上もっとも独創的概念であることなど、多岐にわたりご教示いただいた。同時に『骸骨』の問題点や読む際の注意点などにも言及された。


寺川俊昭先生
 また、2003年4月11日には、大谷大学名誉教授の寺川俊昭先生(写真)に同じく東京ガーデンパレスにおいて、「道理心と宗教的信念―清沢における哲学と宗教―」と題したご講義をいただいた。寺川先生は、『骸骨』でふれられていた「有限・無限」など清沢の初期の思索は、後になっても、本願の仏道に連なり、具体的な内容を得ながら継承されていることなどを指摘された。
 両先生ともに、これからの研究会に多くの示唆をいただいた講義であった。

 当センターからほど近い場所には、東京大学と求道会館があります。
 言うまでもなく、前者は満之が学んだ場所であり、後者には現在「浩々洞発祥の地」の石碑が建てられています。その意味でセンターは、思索に耽ったであろう、若き満之の息吹を想像しつつ『骸骨』を学べるという、またとない場所です。満之が再び注目されている今、この研究会も満之理解の一助となれるよう、微力を尽くしたいと考えています。
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