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研究活動報告
聖典の試訳『尊号真像銘文』研究会
 私たちはいつも、〝ゴール〟を求めている。そのときどきの目標を一つひとつ、達成していこうとする。けれど、自分が本当に「これだ」と思うものには、いつまで経ってもどこまで行っても、辿(たど)り着けたためしはないのではないか。だからもちろん、人生の終わりにそれが手に入るという保証もない。
 今、この「娑婆(しゃば)」にいながらにして「浄土」に帰せしめる、という親鸞の言葉は、私たちのこうした人生観をひっくり返す。ゴールを目指して「あちら」へ行くのではなく、ゴールのほうが「こちら」へと来ているのだ、と。人として求めずにはいられない、その歩み全体を照らし出すものを「浄土」と呼ぶのだ。
(元研究員 内記 洸)
『尊号真像銘文』試訳 15
「勢至菩薩の銘文」(四)
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現代語
 以上のようなわけで、勢至菩薩は、「我本因地 以念仏心 入無生忍 今於此界 摂念仏人 帰於浄土(がほんいんじ いねんぶっしん にゅうむしょうにん こんおしかい しょうねんぶつにん きおじょうど)」とおっしゃるのです。「我本因地」とは、私はそもそも「菩薩」という、「仏のさとり」を求めている身でありながらにして、ということです。
 「以念仏心」とは、念仏の心に気づかされることにおいて、ということで、「入無生忍」とは、「無生忍」という「真実のさとり」の世界に入るのだ、というのです。「今於此界」とは、今、この現実のただ中において、ということです。「摂念仏人」とは、念仏する人を誰一人残らず、みんな包み込んで、ということであり、「帰於浄土」とは、念仏する人を等しく包んで、「浄土」という、誰もが帰るべき〝真実の世界〟に目覚めさせよう、と勢至菩薩がおっしゃったというのです。

原 文
 かるがゆえに、勢至菩薩のたまわく、「我本因地 以念仏心 入無生忍 今於此界 摂念仏人 帰於浄土」といえり。「我本因地」というは、われもと因地にしてといえり。「以念仏心」というは、念仏の心をもってという。「入無生忍」というは、無生忍にいるとなり。「今於此界」というは、いまこの娑婆界にして、というなり。「摂念仏人」というは、念仏の人を摂(せつ)取(しゆ)してという。「帰於浄土」というは、念仏の人、おさめとりて浄土に帰せしむとのたまえるなりと。 (『真宗聖典』五一六~五一七頁)
■参考(頁はすべて『真宗聖典』)

われもと因地にして
・弥陀の尊号となえつつ 信楽まことにうるひとは 憶念の心つねにして 仏恩報ずるおもいあり
(三〇〇頁『教行信証』「真仏土巻」)
・一切菩薩ののたまわく われら因地にありしとき 無量劫をへめぐりて 万善諸行を修せしかど
 恩愛はなはだたちがたく 生死はなはだつきがたし 念仏三昧行じてぞ 罪障を滅し度脱せし
(四九〇頁「龍樹讃」)


無生忍にいる
・「心歓喜得忍」と言うは、これは阿弥陀仏国の清浄の光明、たちまちに眼前に現ぜん。何ぞ踊躍に勝えん。この喜びに因るがゆえに、すなわち無生の忍を得。また「喜忍」と名づく、また「悟忍」と名づく、また「信忍」と名づく。これすなわち玄に談ずるに、未だ得処を標さず、夫人をして等しく心にこの益を悕わしめんと欲う。勇猛専精にして心に見んと想う時に、方に忍を悟るべし。これ多くこれ十信の中の忍なり、解行已上の忍にはあらざるを明かすなり、と。  (二四八頁『教行信証』「信巻」「序分義」)


念仏の人、摂取して浄土に帰せしむ
・ただ念仏の衆生を観そなわして、摂取して捨てざるがゆえに、阿弥陀と名づく、と。
(一七四頁「行巻」『往生礼讃』)
・弥陀の智願海は深広にして涯底なし。名を聞きて往生せんと欲えば、みなことごとくかの国に到ると。たとい大千に満てらん火にも、直ちに過ぎて仏の名を聞け。名を聞きて歓喜し讃すれば、みな当に彼に生まるることを得べし。万年に三宝滅せんに、この経、住すること百年せん。その時、聞きて一念せん、みな当に彼に生まるることを得べし、と。
(一七四~一七五頁 同)

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