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研究活動報告
聖典の試訳『尊号真像銘文』研究会
 自分にとってかけがえのない、大切な言葉はあるだろうか。書物はどうか。今や、世界が情報化し、流行(はや)りすたり、移り変わりの激しい時代である。たった一つの言葉、一冊の書にこだわるなどナンセンスだという指摘が飛んでくるかもしれない。
  しかし、天親によれば、釈尊の説いた経典とはどこまでも、「自らが本当に依るべきもの」である。ここで「依る」とは、都合よく他をあてにすることではない。ごまかしようのない真実を前にした、自らの立つべき場所の確認である。自身の存在そのものが収束する一点であり、かつそのことを私たちに知らしめる言葉を、「南無阿弥陀仏」と言う。 (元研究員 内記 洸)
『尊号真像銘文』試訳 19
「天親菩薩の銘文」(三)
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現代語
  「願生安楽国(がんしょうあんらくこく)」というのは、世親菩薩が「安楽国」、つまり阿弥陀の世界に生まれようと願っておられるのです。無碍光(むげこう)仏の名(みな)を称え、その誓いを信じるところに、「私の国に生まれてほしい」という如来の願いが世親自身の身に響いたのです。
 「我依修多羅(がえしゅたら) 真実功徳相(しんじつくどくそう)」「我」とは、著者である天親が「私のこの身において」と名のっておられる言葉です。「依」は依る、ということで、「修多羅」を依りどころとする、というのです。「修多羅」(sūtra)とはインドの言葉で、お釈迦さまが説かれた経典のことです。仏教には、どんな人間でも平等に救い遂げようという「大乗」の教えと、自分一人が悟ることを目指す「小乗」の教えがあり、これらの教えを説いた経典をすべて「修多羅」と言います。ただ、今ここで世親が言っているのは大乗の「修多羅」のことで、小乗のそれではありません。阿弥陀の本願を説く三部の経典――『無量寿経』、『観無量寿経』、『阿弥陀経』――は、大乗の「修多羅」です。世親は、この三部の大乗経典に依る、と言います。それはつまり、憂いや迷いに引きずられるがままに生きるのではなく、あらゆる人が救われてほしい、という阿弥陀の本願を依りどころにすることなのです。「真実功徳相」の「真実功徳」とは「南無阿弥陀仏」であり、「相」とは「かたち」です。「必ず救おう」という阿弥陀の誓いが、「南無阿弥陀仏」という言葉として私たちの前に示されているのです。

原 文
 「願生安楽国」というは、世親菩薩かの無碍光仏を称念し、信じて安楽国にうまれんとねがいたまえるなり。「我依修多羅 真実功徳相」というは、我は天親論主(ろんじゅ)のわれとなのりたまえる御(み)ことばなり。依はよるという、修多羅によるとなり。修多羅は天竺(てん じく)のことば、仏の経典をもうすなり。仏教に大乗あり、また小乗あり。みな修多羅ともうす。いま修多羅ともうすは大乗なり。小乗にはあらず。いまの三部の経典は大乗修多羅なり。この三部大乗によるとなり。真実功徳相というは、真実功徳は誓願の尊号なり。相はかたちということばなり。 (『真宗聖典』五一八頁)
■参考(頁はすべて『真宗聖典』)

無碍光仏を称念し、信じて安楽国にうまれんとねがいたまえる
・その仏の本願力、名(みな)を聞きて往生せんと欲(おも)えば、みなことごとくかの国に到(いた)りて自(おの)ずから不退転に致る、と。(一五八頁「行巻」『大経』)


依/よる
・「何の故にか依る」は、如来すなわち真実功徳の相なるをもってのゆえに。
(一七〇頁「行巻」『論註』)
・かの罪を造る人は、自らが妄想(もうぞう)の心に依止(えじ)し、煩悩虚妄(こもう)の果報の衆生に依って生ず。この十念は、無上の信心に依止し、阿弥陀如来の方便荘厳(しょうごん)・真実清浄・無量功徳の名号に依って生ず。 (二七四頁「信巻」『論註』)


真実功徳相/誓願の尊号
・「真実功徳相」は、二種の功徳あり。一つには、有漏(うろ)の心より生じて法性(ほっしょう)に順ぜず。いわゆる凡夫人天(にんでん)の諸善・人天の果報、もしは因・もしは果、みなこれ顚倒(てんどう)す、みなこれ虚偽(こぎ)なり。このゆえに不実の功徳と名づく。二つには、菩薩の智慧・清浄の業より起こりて仏事を荘厳す。法性に依って清浄の相に入(い)れり。この法顚倒(てんどう)せず、虚偽ならず、真実の功徳と名づく。 (一七〇頁「行巻」『論註』)
・この如来を、南無不可思議光仏とももうすなり。この如来を方便法身とはもうすなり。方便ともうすは、かたちをあらわし、御(み)なをしめして衆生にしらしめたまうをもうすなり。すなわち、阿弥陀仏なり。
(五四三頁『一念多念文意』)

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