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研究活動報告
聖典の試訳『尊号真像銘文』研究会
 私たちはどこか、自分だけのもの、自分だけの居場所を求める。機能的であることが要求され、その意味で能力さえあれば誰でもいいようなこの社会のなかにあって、「この自分こそ」という欲求は私たちのなかで静かに、しかし確かに燃え続ける。はたして、この欲望に果てはあるのか。
 「親鸞によれば、天親の詠(うた)ったこの「偈」は天親という人物の偉大さを示すものではない。それは一個人の自己表現であることを超えて、阿弥陀の「こころ」と響き合う。個を破って、仏の智慧の光が輝き出る。自分を本当に満たすのは、自分ではない。「俺が、俺が」と訴えるこの身が照らし出されるところが、自分の依るべき場所となる。(元研究員 内記 洸)
『尊号真像銘文』試訳 20
「天親菩薩の銘文」(四)
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現代語
 「説願偈総持(せつがんげそうじ)」というのは、阿弥陀の「本願」が私たちに何を呼びかけようとしているのか、その「こころ」を表す言葉を「偈」というのです。「総持」とは「阿弥陀の智慧」です。「無碍光の智慧」、つまり執着せずには生きられないこの身を破ってはたらく光の智慧を、「総持」というのです。
 「与仏教相応(よぶっきょうそうおう)」というのは、世親が詠い上げた、この『浄土論』の「こころ」が決して個人的な、独り善がりなものではない、ということです。それは、お釈迦さまが私たちに語った「教え」、すべての人を救いとりたいと誓った阿弥陀仏の「こころ」にぴったり重なったものである、というのです。
 「観彼世界相(かんぴせかいそう) 勝過三界道(しょうがさんがいどう)」というのは、世親が阿弥陀の誓う「安楽世界」をご覧になって、どこまでも果てしなく、広く大きく、まるで大空のようだ、と譬えておられるのです。

原 文
 「説願偈総持」というは、本願のこころをあらわすことばを偈というなり。総持というは智慧なり。無碍光の智慧を総持ともうすなり。「与仏教相応」というは、この『浄土論』のこころは、釈尊の教勅(きょうちょく)、弥陀の誓願にあいかなえりとなり。「観彼世界相 勝過三界道」というは、かの安楽世界をみそなわすにほとりきわなきこと虚空のごとし。ひろくおおきなること虚空のごとしとたとえたるなり。
(『真宗聖典』五一八~五一九頁)
■参考(頁はすべて『真宗聖典』)

総持/無碍光の智慧
・「説願偈総持 与仏教相応」は、「持」は不散不失に名づく。「総」は、少をもって多を摂するに名づく。
(一七〇頁「行巻」『論註』)
・設(たと)い我(われ)仏を得たらんに、十方無量・不可思議の諸仏世界の衆生の類、我が名字を聞きて、菩薩の無生法忍(むしょうぼうにん)・もろもろの深総持を得ずは、正覚を取らじ、と。
(二四五頁「信巻」『大経』)


相応/釈尊の教勅、弥陀の誓願にあいかなえり  
・「須臾(しゅゆ)に西の岸に到りて善友あい見て喜ぶ」というは、すなわち衆生久しく生死に沈みて、曠劫(こうごう)より輪回(りんね)し迷倒して、自ら纏(まと)うて解脱(げだつ)に由(よし)なし、仰いで釈迦発遣(はっけん)して指(おし)えて西方に向かえたまうことを蒙(かぶ)り、また弥陀の悲心招喚したまうに藉(よ)って、今二尊の意(おんこころ)に信順して、水火二河を顧(かえり)みず、念念に遺(わす)るることなく、かの願力の道(どう)に乗じて、捨命已後(しゃみょういご)かの国に生まるることを得て、仏とあい見て慶喜(きょうき)すること何ぞ極まらんと喩(たと)うるなり。  (二二一頁「信巻」「散善義」)


ほとりきわなきこと虚空のごとし/ひろくおおきなること虚空のごとし
・悲願は、たとえば、太虚空(たいこくう)のごとし、もろもろの妙功徳広無辺なるがゆえに。
(二〇一頁「行巻」)
・かの世界の相を観ずるに、三界(さんがい)の道に勝過(しょうが)せり。究竟(くきょう)して虚空のごとし、広大にして辺際なし、とのたまえり。 (三一四頁「真仏土巻」『浄土論』)

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