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研究活動報告
聖典の試訳『尊号真像銘文』研究会
 「自分の人生にどれくらい満足していますか。」「あなたは本当に幸せですか。」こうした問いかけに対してどこか心穏やかでいられないのは、私たち自身、いつも「満たされたい」と思っているからだ。自分が空っぽになってしまわないよう、いつも何かで埋めておかねばならない。
 この空しさが完全に埋まることはあるのだろうか。この問いに親鸞は、「功徳の大きな宝の海」という言葉でもって応える。どこまでも広がる海は、どんなものでも分け隔てなく摂めとって果てがない。ちっぽけなこの身を超えて、限りなく海が満ちる。阿弥陀の本願に出遇(あ)うとは、立場や境遇の違いを超えて、本当の満足に出遇うことなのだ。 (元研究員 内記 洸)
『尊号真像銘文』試訳 21
「天親菩薩の銘文」(五)
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 「観仏本願力(かんぶつほんがんりき) 遇無空過者(ぐむくかしゃ)」というのは、如来の本願のはたらきに眼が開かれ、そのはたらきが心にありありと感じられてみると、ということです。今、ここにこうして生きている、ということの本当の意味を知らずに終わっていくならば、人生とは何と「空(むな)しい」ものでしょう。しかし、阿弥陀の願いがこの身にはたらいているのだと信じるなら、そのような生きざまにとどまることは決してなく、その迷いの命を超えていけるのだ、というのです。
 「能令速満足(のうりょうそくぞく) 功徳大宝海(くどくだいほうかい)」というのは、「能」はできる、「令」はさせる、「速」はたちまちに、ということです。本願のはたらきを確かに信じることができた、まさにその瞬間に、「大いなる宝の海」のような「功徳」をその人のからだに満たすのです。「海」は広く大きく、どんなものであっても分け隔てなくすべて摂めとってしまいます。如来の功徳もこの海のように広く大きく、どうにもならない私たちの身を決して分け隔てすることがない、と喩(たと)えているのです。

原 文
 「観仏本願力 遇無空過者」というは、如来の本願力をみそなわすに、願力を信ずるひとはむなしく、ここにとどまらずとなり。「能令速満足 功徳大宝海」というは、能はよしという、令はせしむという、速はすみやかにとしという、よく本願力を信楽(しんぎょう)する人は、すみやかにとく功徳の大宝海を信ずる人の、そのみに満足せしむるなり。如来の功徳のきわなくひろくおおきに、へだてなきことを大海のみずのへだてなくみちみてるがごとしと、たとえたてまつるなり。 (『真宗聖典』五一九頁)
■参考(頁はすべて『真宗聖典』)

観/如来の本願力をみそなわす
・「今信知弥陀本弘誓願(こんしんちみだほんぐぜいがん) 及称名号(ぎゅうしょうみょうごう)」というは、如来のちかいを信知すともうすこころなり。「信」というは、金剛心なり。「知」というは、しるという、煩悩悪業の衆生をみちびきたまうとしるなり。また知というは、観なり。こころにうかべおもうを、観という。こころにうかべしるを、知というなり。 (五四五頁『一念多念文意』)


遇無空過者/願力を信ずる人はむなしく、ここにとどまらず
・「遇(ぐ)」は、もうあうという。もうあうともうすは、本願力を信ずるなり。「無」は、なしという。「空(く)」は、むなしくという。「過」は、すぐるという。「者(しゃ)」は、ひとという。むなしくすぐるひとなしというは、信心あらんひと、むなしく生死にとどまることなしとなり。   (五四三~五四四頁『一念多念文意』)


功徳大宝海
・「海」と言うは、久遠(くおん)よりこのかた、凡聖所修(ぼんしょうしょしゅ)の雑修雑善(ざっしゅぞうぜん)の川水(せんすい)を転じ、逆謗闡提(ぎゃくほうせんだい)恒沙無明(ごうじゃむみょう)の海水を転じて、本願大悲智慧真実恒沙万徳の大宝海水と成る、これを海のごときに喩うるなり。良(まこと)に知りぬ、経に説きて「煩悩の氷解けて功徳の水と成る」と言(のたま)えるがごとし。 (一九八頁「行巻」)
・「功徳」ともうすは、名号なり。「大宝海」は、よろずの善根功徳みちきわまるを、海(かい)にたとえたまう。この功徳をよく信ずるひとのこころのうちに、すみやかに、とくみちたりぬとしらしめんとなり。しかれば、金剛心のひとは、しらず、もとめざるに、功徳の大宝、そのみにみちみつがゆえに、大宝海とたとえたるなり。
(五四四頁『一念多念文意』)

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